豆乳ヨーグルトができるまで 豆乳づくりから磨く手間暇かけた製造法 ポッカサッポロ群馬工場

豆乳ヨーグルトのもととなる原豆乳を製造するに当たって、大豆を水に浸してやわらかくなったものを石臼で挽くのが一般的なやり方であるが、ポッカサッポロフード&ビバレッジの群馬工場では青臭さや大豆臭が少ないクリアー味わいや口あたりのよい食感を追求し、一般的なやり方よりも多くの工程を踏むおいしさ丁寧搾り製法を採用している。

群馬工場は91年に設立され、飲料・レモン商品・スープを製造。今年4月に第2工場として豆乳ヨーグルトの製造棟が稼働し、原豆乳から最終製品まで一貫して製造している。

最終製品は大型容器の豆乳ヨーグルト「ソイビオ豆乳ヨーグルト プレーン無糖 400gカップ」、ストロー付きタイプの「ソイビオ豆乳ヨーグルト 180gストロー付きカップ」、小型容器でトクホの「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト」シリーズ(プレーン、アロエ、ブルーベリーの3種)の主に3品。

小型容器でトクホの「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト」シリーズの製造ライン(ポッカサッポロフード&ビバレッジ群馬工場)
小型容器でトクホの「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト」シリーズの製造ライン(ポッカサッポロフード&ビバレッジ群馬工場)

すべての最終製品のベースとなる原豆乳は、脱皮・脱胚軸大豆を調達してつくられる。脱皮・脱胚軸大豆は、大豆の皮をむいて胚軸を取り除くと自然と二つに割れることから「半割れ大豆」とも呼ばれ、この半割れ大豆を高温の水を使った独自製法で煮出し、やわらかくしてから特殊多段粉砕する。粉砕されたものを遠心分離機で豆乳(水分)とおから(固形物)に分離する。

一般的にはこの段階で豆乳は完成形となるが、同社は固形物の除去を徹底するため、お茶飲料などの知見を生かしておからと分離された豆乳を再度遠心分離機にかける。

「最近ではあえて粉を入れている商品もあるが、当社では2回にわたり遠心分離機にかけて粉を徹底的に取り除いている」と近藤崇SCM本部群馬工場工場長は語る。

容器充填後に発酵する後発酵では容器に入れたまま発酵・冷却させる仕組みを考案(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)
容器充填後に発酵する後発酵では容器に入れたまま発酵・冷却させる仕組みを考案(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)

このようにして磨かれた豆乳はまずタンクで保管され、他の原料を加えて調合の工程を経ると、以降は商品の特性に応じて前発酵(容器充填前に発酵)か後発酵(容器充填後に発酵)の工程に分かれる。

製造工程は、二つとも調合後の豆乳をタンクに冷蔵保管し乳酸菌を添加する。「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト」の場合、充填後、急速冷却庫で急速冷却される。

原豆乳の技術は不二製油、前発酵の技術は「ソヤファーム」の前ブランドオーナーであるトーラクの技術が基盤となっているのに対し、大型容器の豆乳ヨーグルトで採用している後発酵の技術はポッカサッポロのアイデアが光るものとなっている。

(左から)武田真一郎課長、大久保正孝部長、近藤崇工場長、江原道成群馬工場品質管理課課長代理(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)
(左から)武田真一郎課長、大久保正孝部長、近藤崇工場長、江原道成群馬工場品質管理課課長代理(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)

武田真一郎群馬工場製造三課課長は「我々の研究所で骨格をつくり、工場で再現した。試行錯誤を繰り返して容器に入れたまま発酵・冷却させる仕組みを考案した」と述べる。

そのほか、ポッカサッポロ独自のノウハウとしては、スープの開発で培ったなめらかさの数値化がある。

大久保正孝大豆・チルド事業本部事業戦略部部長は「ストローで飲むドリンクタイプは特に口当たりが重要になるためスープの知見を生かし、なめらかさを数値化して処方した」と説明する。

近藤工場長は、在庫できないことがドライの飲料と大きく異なる点だと指摘する。「ドライは在庫で調整できたが、チルドの場合、30分や1時間遅れると大変なことになる。1日止まったら欠品になるため日々の生産をさらに緊張感をもって行っている」と語る。

豆乳ヨーグルト商品は同工場稼働後の4-10月で前年同期比40%増の売上げを記録した。大久保部長は「事業開始してから4年が経つが、やればやるほど可能性を感じる。乳アレルギーのお子さまにも貢献でき、植物性ヨーグルトを楽しみの一つとして