21年に「サントリー天然水〈北アルプス〉」発売 長野県大町市の新工場で製造

サントリー食品インターナショナルは長野県大町市の水源に新工場を設立して「サントリー天然水〈北アルプス〉」を21年夏以降に新発売する。

「サントリー天然水」は16年に年間販売数量が1億ケースを超え18年には販売数量で国内飲料市場のトップとなる。

メガブランド規模でのさらなる安定供給と、同ブランドで今後も需要拡大が見込めることが〈北アルプス〉投入の背景。

22日、長野県大町市で会見した小郷三朗会長は「天然水は20年ほど伸びてきている市場。最近はプレーンの天然水だけでなく、それをベースにしたスパークリングウォーターやフレーバーウォーターのサブカテゴリーも新たに開発されており、今後も健康志向が高まっていく中で、そのようなイノベーションを続けていけば需要は伸びていく」との見方を示した。

新工場名は「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」。240億円を投じて設立され21年春をめどに稼働する。

製造品目は「サントリー天然水〈北アルプス〉」のプレーンタイプ(天然水)550㎖PETボトルと2ℓPETボトルの2品で、主に東日本エリアで販売される。年間生産能力は1千500万ケース。

22日に長野県大町市で会見した(左から)太田寛長野県副知事、サントリー食品の小郷三朗会長、牛越徹大町市市長
22日に長野県大町市で会見した(左から)太田寛長野県副知事、サントリー食品の小郷三朗会長、牛越徹大町市市長

新工場は単なる生産拠点ではなく地域・自然との共生を強く意識して設計されている。「大町市の水や自然の恵みの素晴らしさを多くの人に体験してもらい、自然との触れあいを通じてより豊かな心の交流の場所にしたい」という。

具体的には「来場者がさまざまなコンテンツを通じて清冽なサントリー天然水の価値に触れられる新しい体験型施設・ブランド体験の場をつくりたい」(江藤雄資ジャパン事業本部ブランド開発事業部課長)との考えの下、駐車場から工場に入るまでにさまざまなフィールドコンテンツが設けられる。

駐車場に到着すると、まず乳川(ちがわ)の水の流れが体感でき、約70mの地下通路「アンダーパス」が出迎える。アンダーパスでは日常から非日常への気分転換を意図して「水となって地層をくぐり抜けるような気持ちになってもらえる仕掛けを用意している」。

そこを抜けると、四季の変化などが楽しめる森の遊歩道を経てレセプション棟につながるようになっている。レセプション棟では、オリジナルグッズの販売やセミナー・ワークショップの開催などを予定している。

工場は「ものづくり棟」と称し製造ラインを見学できるほか、シアターや模型で天然水ができるまでの説明を受けることができる。見学後に展望テラスで出来たての商品が飲めるようになっている。展望テラスの眼下には広大な芝生が広がり、そこでくつろぐこともできる。

環境への取り組みや地元との共生にも注力していく。環境面では再生可能エネルギー発電設備やバイオマス燃料を用いたボイラーを導入するほか、再生可能エネルギー由来電力を調達するなどして同社初となるCO2排出量ゼロの工場を実現させる。

地元との共生では水を育む森林の整備・保全を推進し、大町市や大町市教育委員会と連携しサントリー次世代環境教育「水育(みずいく)」を実施する。地元食材を活かした商品販売やワークショップ開催、来場者との交流も予定している。

なお稼働予定日と年間生産能力は18年9月の発表時から人手不足と資材高騰の影響を受け変更されている。