J-オイルミルズ、付加価値戦略を加速 物流費などコスト上昇で「価格改定に理解を」 八馬社長

J-オイルミルズの八馬史尚社長は第2四半期決算説明会で、高付加価値品の拡販やソリューション事業における提案強化など、成長戦略の取り組みを加速させる方針を示した。

同社の上期業績は売上高3%減収だったが、営業利益は28.3%増と増益を確保。大豆・菜種の主原料コストが当初想定よりも改善したことに加え、オリーブオイルなどの高付加価値の販売が順調だった。

一方で、物流費や燃料・資材などのインフラコストが上昇。八馬社長は「売上高に占める物流費率は6.3%と前年同期から0.5ポイントも悪化した。さまざまな手立てを講じているが、人手不足によるコスト上昇の影響は大きい」と危機感を示した。

こうした状況を踏まえ、6月から油脂の価格改定を実施した。原料価格や為替など相場変動分とは別に、物流費など社会インフラコスト上昇による影響を説明し、「今後も粘り強く得意先に理解を求めていく」と語った。

成長戦略である付加価値品の拡販では家庭用オリーブオイルや「長調得徳」「J-OILPRO」などが好調。第5期中計の4年間で2~3割程度の伸びを見せており、「売上げの約3割、粗利益ベースで約4割程度まで付加価値品の構成比を高めていく」との方針を示した。

そのほか、中食・外食、加工ユーザー向けのソリューション事業では油脂・マーガリン・スターチの複合提案を推進。スターチの食感改良や、油脂のフレーバー技術を活用した経時劣化抑制やオペレーション改善、長持ち油の「長調得徳」に代表される環境対応やフードロス低減など課題解決型の提案が評価されているという。

海外展開ではタイのスターチ事業に続き、成長するアセアン市場での油脂加工品の展開に向けて、マレーシアのPNPL社との業務・資本提携を締結。国内で磨いた価値をベースに、アセアン市場での展開を広げていく方針を示した。

また、日清オイリオグループとの業務提携協議については、「国内市場の縮小に加え、老朽化する設備更新などが製油業界の課題になっている。両社の健全な競争環境を維持したうえで、長期的視野で川上の搾油領域に関して検討する」とした。