味の素 世界トップ3分野に集中 次期中計へ前倒しで着手

味の素は2017~19年の中期経営計画で掲げた20年度の構造目標(事業利益率10%、ROE10%~)の次期中計での達成を目指し、今期よりイノベーション創出のための集中と重点化(アセットライトの推進)、ならびにIoT、AIの活用を含めたデジタルトランスフォーメーション(DX)を行う。

これは10日に開催した西井孝明取締役社長(最高経営責任者)による2020年3月期業績予想および次期中期経営計画に向けた発表の中で明らかにしたもの。19年3月期決算はヘルスケアや海外事業が増収したが、競争激化に伴い日本食品の売上減少により大幅減益となったため、これを踏まえて計画した。

同社はグローバル食品企業トップ10クラス入りを目指しているが、今年度はグローバルトップ3カテゴリーとなり得る領域に集中。次期20~22年中計の土台作りとしてアセットを可能な限り前倒しで着手する。国内食品の具体的な取り組みは、汁物や中華、メニュー調味料で強いブランドの徹底強化。冷食ギョーザへの資源集中。コーヒー類は、新価値を持ったスティック飲料の需要創造とプレミアム領域の強化。EC事業ではモール型通販の強化や越境ECの推進など。

次期中計に向けたアセットライト化は非重点事業への投資抑制と縮小・売却および資産効率の向上。デジタルトランスフォーメーションはデジタルを取り入れた新たな成長モデル構築などにより実現する。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)