イセ食品の機能性鶏卵が好調 大手間で温度差も

イセ食品(埼玉県鴻巣市、伊勢孝信社長)が販売する鶏卵業界初の機能性表示食品「機能性表示食品 伊勢の卵」が7月に発売開始して以降、順調に販路を拡大している。3か月で導入店は全国で5千店舗を超える予想以上の反応。今月からはTVCMを投下し、消費者の認知を進めている。鶏卵大手の同社だが、単一ブランドの新商品でTVCMを投下するのは極めて稀で、力の入りようがうかがえる。

「機能性表示食品 伊勢の卵」はEPA、DHAを豊富に含有した卵。卵2個で一日に必要なEPA、DHAを摂取し、中性脂肪値を下げる機能が期待できる。EPA、DHAは機能性表示食品制度の関与成分として受理例が多い機能性素材。日常的に摂取して消費者にとって「健康」だけでなく「簡便性」も期待できる。同社は既存ブランドとして「伊勢の卵」を販売していたが、特別な飼育法や品質管理によって安定した品質を実現し、既存品とは異なる商品として上市した。

4年前にスタートした機能性表示食品制度は、加工食品に限定せず生鮮品(野菜、水産品等)でも受理可能なのが制度の特徴の一つ。生鮮品では、もやしやミカンなどでも受理されており、消費者の関心を集めた結果、販売量でも好結果を得た。鶏卵市場は、長らく「物価の優等生」と言われ続けてきたその結果として、中小生産者の廃業が相次ぎ、大手への集約が進行中。その中で人口が集中する大都市圏でのシェア争いも激しくなっており、供給過多から卵価が上振れできずに苦戦を強いられている。

一頃はブランド卵が数多く誕生し、卵価引き上げの救世主と目されたが、一部ブランド商品を除き消費者にしっかり定着していないのが現状。

イセ食品は現在、「機能性表示食品 伊勢の卵」を3か所で生産しているが、需要増に対応し供給体制を強化する。

今後、アキタやJA全農たまごなど大手業者による機能性食品の鶏卵への参入も予想されるが、アキタは現在「きよら グルメ仕立て」の販路拡大に注力中。TVCMでもACC賞でシリーズ3作が受賞しており、当面は健康よりもまず美味しさを優先して訴求していく模様だ。