ミカド珈琲商会 インバウンド需要見込み提案強化 ブランド力と品質重視の姿勢を強みに

ミカド珈琲のモカソフト(ミカド珈琲商会)
ミカド珈琲のモカソフト(ミカド珈琲商会)

1948年に東京・日本橋で創業し「ミカド珈琲のモカソフト」でも知られるミカド珈琲商会は長年培ったブランド力と品質重視の姿勢を強みに販路開拓に取り組んでいる。

現在、事業の構成比は卸売事業6割、直営店事業が3.5割、通販事業が0.5割となっている。現在、卸本社(東京都港区)と中日本支店(長野県北佐久郡)を拠点に、東京を中心とした関東圏と長野で展開している。メインの卸売事業は喫茶店、レストラン、カフェ、ホテル、ゴルフ場などへのコーヒー豆の卸売販売に加えて、百貨店でのコーヒーギフトの販売、量販店での商品販売も含まれる。

宮田智史係長(ミカド珈琲商会)
宮田智史係長(ミカド珈琲商会)

卸売事業の今後の方向性について宮田智史本社営業部係長は「日本橋や軽井沢の直営店で培われたブランド力を強みとして、卸先さまを増やしていく。最近の傾向としては和食、中華の外食やオフィスなどの引き合いも強まっており、獲得に向けて強化していく。オリンピックの開催を控えインバウンド需要が多く見込まれるため、既存店とともにそこへ向けて提案強化していく」と語る。

埼玉県の三郷焙煎工場にはメインの120㎏釜以外に10㎏釜、2㎏釜があり小ロットにも対応している。卸先の新規開拓にあたっては、原料調達と焙煎を追求した品質重視の姿勢を強みとする。

調達はメキシコの契約農園や商社を通じて行い、買い付けにあたっては、焙煎士が事前にサンプルを取り寄せてカップテストし、同社の検査基準を満たした良質な生豆を厳選して行っている。(写真下記事続く)

ミカド珈琲商会 三郷焙煎工場(埼玉県)
ミカド珈琲商会 三郷焙煎工場(埼玉県)
メキシコの契約農園で鳴島佳津子社長(中央㊨)(ミカド珈琲商会)ら
メキシコの契約農園で鳴島佳津子社長(中央㊨)(ミカド珈琲商会)ら

埼玉県の三郷工場で焙煎後、クラシック音楽を聴かせながら保管。焙煎は、オートメーションではなく3人の焙煎士の腕にゆだねられ、「五感を研ぎ澄まして、コーヒーと対話しながら、その時の状態に合わせて一釜ずつ丁寧に焼いている」。

コーヒーは、嗜好に対応できるよう豊富なブレンド豆やシングル・オリジン豆を豊富にラインアップ。コーヒーの味あわせ、抽出手法、ドリンクメニュー提案、ハンドドリップの指導などコンサルティングとサポートで幅広い業種を長年支えている。

卸売営業では軽井沢の直営店で培われたブランド力も強みとなる。

軽井沢には「軽井沢旧道店」「軽井沢・プリンスショッピングプラザ店」「軽井沢ツルヤ店」の3店舗があり、最初にオープンした軽井沢店は、軽井沢に別荘を持つ日本橋店常連客の要望を受けて1952年に開業した。

この軽井沢での展開に創業者の金坂景助氏が「コーヒーゼリー」(63年発売開始)に次いで開発した「ミカド珈琲のモカソフト」(69年発売開始)の力が加わり、ミカド珈琲=軽井沢のコーヒーのイメージは確固たるものになっていく。(写真下記事続く)

軽井沢旧道店(ミカド珈琲)
軽井沢旧道店(ミカド珈琲)
創業者の金坂景助氏(ミカド珈琲商会)。1948年創業時の日本橋店で
創業者の金坂景助氏(ミカド珈琲商会)。1948年創業時の日本橋店で

モカソフトは、コーヒーが飲めない子どもにもコーヒーのおいしさを味わってもらいたいと思った創業者が数年かけて開発したもので、大ヒットしソフトクリーム片手に軽井沢を散策するスタイルを定着させるまでに浸透。「今でも軽井沢の名物で、夏場にはテイクアウトで行列ができるほどご好評をいただいている」という。

他のフレーバーのソフトクリームはなく、モカソフト一筋を貫き今年で発売50周年の節目を迎えた。

メキシコのベラクルス州・コアテペックにあるサン・アルフォンス農園と専属契約を結びコーヒー豆「ラ・タサ」(写真㊨)の直輸入を開始
メキシコのベラクルス州・コアテペックにあるサン・アルフォンス農園と専属契約を結びコーヒー豆「ラ・タサ」(写真㊨)の直輸入を開始

近年は小売店での販売や通販でのギフト展開にも取り組み「スーパーでも『軽井沢セレクション』や1ℓの『MAJOリキッドコーヒー』などが置かれるようになっている」と述べる。

この秋冬に向けては、簡易抽出型レギュラーコーヒーの「カフェインレス・コロンビア ワンパック・コーヒー」を新発売し、スイーツをセットにしたギフトも多数取り揃えている。

また北海道乳業、山崎製パン、榮太樓總本鋪といった異業種とのコラボ商品も相手先の引き合いが強まっていることで増加傾向にある。

持続可能なコーヒー生産に向けた取り組みとしては、04年からレインフォレスト・アライアンス認証を受けた農園の豆を販売している。

直営店は19年9月現在で計6店舗。日本橋本店、軽井沢の3店舗、渋谷店に、今年、日本橋室町三井タワー店が加わった。日本橋本店はスタンドコーヒーの元祖で、創業当時と変わらずに今でも着席の喫茶スペースとは別に立ち飲みスペースを1階に設けている。

日本橋本店の喫茶スペース(ミカド珈琲)
日本橋本店の喫茶スペース(ミカド珈琲)
日本橋本店の1階の立ち飲みスペース(写真奥)(ミカド珈琲)
日本橋本店の1階の立ち飲みスペース(写真奥)(ミカド珈琲)