即席麺、上期は前年割れか 価格改定など響き5期連続の記録更新は微妙に

2015年度から18年度まで4期連続で総需要過去最高を更新し続けてきた即席麺だが、今上期は6月からの価格改定の影響などもあり、前年割れでの折り返しとなった模様だ。4~8月の即席麺総需要(日本即席食品工業協会まとめ/生タイプ除く)は、数量ベースが前年比98.3%、金額(出荷額)ベースが99.8%。カップ麺(数量99.8%、金額101.1%)は健闘しているものの、袋麺(数量96.3%、金額95.2%)の苦戦が響いた。9月は昨年の北海道胆振東部地震に伴う特需の反動減が予想されることから、上期トータルでの総需要は前年割れとなる見通し。下期も前期のテレビドラマ効果による需要増の反動減が予想されるため、5期連続での過去最高更新に黄色信号が灯りつつある。

18年度(18年4月~19年3月)の即席麺総需要は、数量前年比0.6%増(57億2千349万8千食)、金額(出荷額)1.1%増(5千933億5千300万円)で、4年連続で過去最高を更新した。カップ麺が数量0.5%増(39億6千129万1千食)、金額1.2%増(4千633億9千600万円)と好調を持続したことに加え、袋麺も数量0.8%増(17億6千220万7千食)、金額0.9%増(1千399億5千600万円)となり、過去最高更新に寄与した形。

各社主力ブランド(袋麺、カップ麺)の周年が相次ぎ、積極的な販促やプロモーションが展開されたことに加え、北海道胆振東部地震をはじめとする自然災害の多発による保存食ニーズの高まり、さらには昨年10月から今年3月まで放映されたNHK朝の連続テレビ小説「まんぷく」なども総需要過去最高に寄与した。

一方、今期の月別総需要を見ると、NHK朝の連続テレビ小説の影響が残った4月は数量ベース103.7%、金額ベース102.8%、5月も数量109.4%、金額108.4%と好調に推移したが、価格改定が実施された6月は数量91%、金額94.1%と苦戦。7月も数量90.3%、金額93%と2か月連続で大幅減となり、8月も数量98.7%、金額100.7%という状況で推移している。カップ麺は健闘しているが、袋麺は6月(数量77.4%、金額77.2%)、7月(数量75.7%、金額74.2%)の低迷がマイナス要因となっている。

5期連続での総需要過去最高更新に向け、下期の巻き返しが必須となる最終四半期(1~3月)については、前述の通りテレビドラマ特需の裏年となるため、前同クリアはかなり高いハードル。「来年4月に発売を予定している新製品を3月に前倒しして投入することもあり得る」(メーカー)ということも検討されているようだが、最大のポイントは第3四半期(10~12月)。メーカー各社は10月に新製品を続々投入するとともに、需要喚起施策を活発に展開している。「第3四半期で貯金し、最終四半期を前年並みで乗り切る」「上期に注力できなかったブランドに注力し、巻き返す」(同)という考えだ。

即席麺市場では6月の価格改定後、値ごろ感のあるオープンプライスや価格対応商品などの売上げが急増している模様だが、カギとなるのはNB主力ブランド。今回、新価格の定着が比較的早かったこともあり、過去の価格改定時と比べ、新価格での販促展開も早期に再開され、ユーザーの新価格への慣れも早いものと予想される。

10月1日からの消費増税の影響は未知数だが、節約志向の高まりは即席麺にとって追い風。5期連続総需要過去最高は簡単ではないが、新製品、プロモーション、キャンペーン等々、メーカーサイドの動きは活発になっている。

これまで活発な改廃マーチャンダイジングや時代のニーズに対応した新提案商品の投入などにより市場を拡大させてきた即席麺業態。5期連続の総需要過去最高を占う上で、まずは第3四半期の取り組みが注目される。