パイン缶「開缶研究会」 品質向上と消費拡大目指し今年も開催

日本パインアップル缶詰協会はこのほど、令和元年度「パインアップル缶詰開缶研究会」を開催した。開缶研究会は昭和35年から半世紀以上にわたり国内外のパインアップル缶詰の品質向上と表示適正化による信頼性向上、パインアップル缶詰の消費拡大を目的に開催されている。

今年の出品数は国産(沖縄産)5品、輸入品28品(タイ8、フィリピン9、インドネシア9、マレーシア2)の計33品。来場者が一品ずつ試食し、香味・色沢・肉質・形態・その他の各項目について採点。表示審査、計量検査は農林水産消費安全技術センターおよび食品環境検査協会の専門家による厳正な審査が行われた。

品評結果(25点満点)の平均点は国産17.26、輸入17.13、トータル17.15。最高点は国産18.36、輸入19.69。最低点は国産15.82、輸入14.13。

平均点は今年も国産が輸入を上回った。表示・計量検査についても問題はないが、来年3月に実施される新食品表示制度に向けて、栄養成分表示などの対応が課題とした。

「品質高め、消費拡大を」

柘植茂晃・日本パインアップル缶詰協会専務理事は「戦前の沖縄はパイン缶詰どころかパインの栽培も行われておらず、メイドインジャパンのパイン缶は台湾産だった。戦後、台湾からの入植者が石垣島でのパイン栽培を始め、沖縄本島でも本部半島でパイン栽培がスタートした。昭和30年代には沖縄のパイン産業は急拡大し、ピーク時には22工場で現在の5倍近い70万tが生産された。急拡大の一方で、海外品との品質差が課題となり、自由化交渉が議論される中で、国産パインアップル缶詰の品質向上と競争力強化を目的として昭和35年に開缶研究会がスタートした」とわが国のパインアップル缶詰産業との歴史と開缶研究会の趣旨を説明した。

以来60年にわたって開缶研究会が行われてきたが、「この10年間は品評審査で国産品が輸入品を上回るようになった。平成20年には食品偽装が社会問題化する中で、協会では自主行動計画を策定。開缶研究会では食品表示や規格基準に適しているかを専門家にチェックいただき、業界全体の信頼性向上にも努めている」と語った。

受賞作品の試食が行われた(パインアップル缶詰料理コンテスト)
受賞作品の試食が行われた(パインアップル缶詰料理コンテスト)

なお、当日はパインアップル缶詰の普及啓発と消費拡大を目的に毎年実施する「パインアップル缶詰料理コンテスト」の受賞作品を紹介(応募総数480点)。最優秀賞の「パインのビシソワーズ」、優秀作品の「おむパイン」「パインとオレンジ&キャロットのジャム」、特別賞の「炊き込みパイン飯」の試食が行われたほか、調査広報活動の一環として試作開発した料理缶詰「鶏もも肉の練乳パイン煮込み」、PET容器の「島唐辛子入りパインドレッシング」を披露。欧米では果物は野菜感覚で使用されており、「パイン缶詰も料理用途を広げていきたい」と期待を込めた。

乾杯の発声を務めた沖縄県農業協同組合の具志堅道男常務理事は「東村のパイン工場は今年10億円をかけて機械設備を更新した。歩留まり、品質が良くなり、さらなる発展につなげていく」と語った。