カゴメ、トップ交代へ 「会社を変えたい」寺田現社長 「野菜の会社加速」山口次期社長

カゴメの次期代表取締役社長に来年1月1日付で山口聡取締役常務執行役員・野菜事業本部長兼ベジタブル・ソリューション部長が就任。寺田直行現代表取締役社長は代表権のない取締役会長に就任する。9月30日に名古屋本社で開いた記者会見で両氏は次のように語った。(一部既報)

――トップ交代の理由は。

寺田氏 理由は「会社を変えるため」。経営と従業員が一体となって目指す方向、ゴールに突き進むためだ。新社長はカゴメで初の技術系出身の社長になる。

――なぜこのタイミングでの交代に?

寺田氏 就任当時から任期は6年と決めていた。役員も従業員も慣れてしまうことはよくない。役員、社員が一体となる体制をつくりかたかった。そこへの道のりは決して平たんではない。難易度の高い課題に一丸となり、会社がひとつになるのに新社長は適任だ。カゴメはもともと技術の会社。イノベーションを起こすには技術陣にもう一度奮起してほしい。

――社長6年間の自己採点は。

寺田氏 70点。今まで乱高下した利益が何とか利益体質には変えられた。だが、次に向けての成長が止まっている。昨年と今期において十分な仕込みができなったことが反省点。会社は大きく変わりつつあるので、新社長にはこれをさらに進めてほしい。

――野菜事業本部長兼務について。

寺田氏 野菜の加工品として野菜飲料はあるが、それ以外の調味料は少ない。今までにない商品開発が求められ、それを広げるには野菜事業本部長が陣頭指揮をとることが望ましい。だが、兼務は過渡的だ。

――新社長就任に向けて抱負は。

山口氏 社長の任を仰せつかり、身の引き締まる思いだ。カゴメの強みを活かし、長期ビジョンである「野菜の会社」に向けた実現の歩みを加速させることが私の使命だ。野菜のおいしさと栄養を活かしたさまざまな商品や、野菜を効率的に摂ることができるメニューを外食、中食、内食のあらゆるチャネルで提案し、広げていく。広告を通して野菜を摂ることの大切さを本気になって伝えていく。研究開発や商品企画を中心に仕事をしてきたこれまでの経験を活かしてカゴメの強みをさらに強化し、時代変化を先取りして事業を推進する。

――経営課題は。

山口氏 収益力強化を継続し、成長に向けて新領域に挑戦することが優先度の高い課題となる。収益力は農事業、国際事業の構造改革を完成させ、食品事業については野菜飲料を再度拡大する。業務用市場への提案力を強化。コトビジネスを通して新事業、新領域を広げ、ベジチェックなどで健康事業を育成する。野菜飲料のアジア展開もしたい。農家支援において加工用トマトはフィールドグループが対応しているが、今後は野菜でもサポートしていく。

――野菜事業の課題は。

山口氏 トマトは生鮮から加工品まで、加工度の低いモノから高いモノまで提供している。だが野菜は加工体制、供給体制が十分ではない。野菜も生鮮から加工品に向けての供給体制を整え、需要を創造し販売も成長したい。時短や女性の社会進出の中で、家庭内で生鮮野菜を使って料理することは極端に減っている。そこで業務用を強化し、野菜加工品をどういう形でお客さまに案内するかを考える。

――座右の銘、趣味など。

山口氏 座右の銘は誠実。いろいろな部署を経験する中で、それぞれの仕事に対して誠実に向き合うことの大切さを知った。趣味はランニング。2017年に東京マラソンに出場し完走した。家族構成は妻と1男1女。