「午後の紅茶」が快走 牽引役はミルクティーと無糖 キリンビバレッジ

紅茶飲料市場の活性化に伴い、トップシェアを占めるキリンビバレッジの「午後の紅茶」が快走している。1-6月に上半期過去最高の販売数量を記録。その後も好調を維持し1-8月では前年同期比8%増の3千462万ケースとなった。

取材に応じた東桃子マーケティング本部マーケティング部商品担当主任は、好調の牽引役に「ミルクティー」「ザ・マイスターズミルクティー」「おいしい無糖」の3品を挙げる。この中で基盤3品の1つである「ミルクティー」と「ザ・マイスターズミルクティー」は、若干のカニバリがみられるもののユーザーの棲み分けが図られ、ともに成長しているという。

「ミルクティー」は、10代のエントリー層や30~40代のボリュームゾーンに支持される一方、「ザ・マイスターズミルクティー」は30~40代女性を中心とした糖の摂取を忌避する層を獲得して3月26日の発売開始から5か月で4千200万本(175万ケース)を突破した。

「紅茶飲料市場の購入率は人数ベースで男女半々となっているが、購入本数ベースでは男性のほうが高く市場の5.5~6割を男性が占める。その中で『ザ・マイスターズミルクティー』の購入本数は7月までの累計で女性が5・5割を占め、リピート率も高くなっている」と語る。

「ザ・マイスターズミルクティー」は、ミルクと茶葉の量を既存品よりも多めに使用して甘さを抑えた微糖ミルクティー。雑味を抑えて香りや旨みをより引き出すべく、一般的な商品に比べて湯量減・茶葉量増で抽出するリーフリッチブリュー製法を取り入れてつくられている。この中味設計でスイーツやパンなどの喫食シーンを獲得。

「意外なことに無糖茶ユーザーも流入している。甘さが欲しくなったときに、これまでジャスミン茶など嗜好性の高い無糖茶で我慢していた女性層が、カロリーが低くて気軽に飲めるということで入ってきているのが大きな好調要因になっている」と説明する。

スイーツやパンなどの喫食シーンを獲得して好調に推移している「午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」
スイーツやパンなどの喫食シーンを獲得して好調に推移している「午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」

パッケージも好評で「微糖というレスのイメージを感じさせないように『ザ・マイスターズ』と銘打ち、上質感のある商品とパッケージにしたことで、トライアルのきっかけになっていることがお客さまへの調査結果からも分かってきている」。

ただし、今後の課題はレスのイメージを感じさせないように控えめに訴求してきた微糖の認知拡大にある。「『午後の紅茶』は甘いイメージが強いため、甘い飲み物と思われてしまうのが課題。引き続き甘くない微糖のミルクティーであることを伝えていく」。

「おいしい無糖」は1―8月で20%増と大幅に拡大。「無糖紅茶の競合品が発売されたタイミングで市場が盛り上がり、これに乗ることができた。加えて、春先から本格展開したカレーとの食べ合わせを店頭POPやプロモーションで訴求したことも奏功し、トライアルとリピートの両方で拡大した」。

6月にはリニューアル発売し、中味はダージリン茶葉を増量して磨きをかけて紅茶ポリフェノールの含有量を従来の500㎖当たり155㎖から210㎖に増やした。

「紅茶ポリフェノールには油切れをよくして口の中をさっぱりさせてくれる機能があり、ウィズフード訴求の好評も寄与し、商品の回転が上がっている」と述べる。

コンビニでは600㎖の増量タイプを発売している。秋冬は、「午後の紅茶」ブランド全体で11月1日の紅茶の日に向けてマーケティングを展開していく。

ホット商品は「ストレートティー」「ミルクティー」「レモンティー」の基盤3品に「おいしい無糖」を加えた計4品のおいしさを強化するとともに、容量を345㎖から400㎖に増量して「生茶」と「小岩井」ブランドの400㎖とともに販売している。

「500㎖の場合、あたたかいうちに飲み切れず、店頭で加温するのも時間がかかる。“あたたかいうちに飲み切れる程よいサイズは400㎖”が当社の立てた仮説で、中味については、ホットで求められる嗜好性と満足感を強化した」。

コミュニケーションは、ホット専用の広告とブランド広告を予定。動画やSNSも引き続き活用していく。

ターゲットとコミュニケーションの考え方については「基盤3品でエントリーをとっていき、甘さを忌避する方に向けては『おいしい無糖』や『ザ・マイスターズミルクティー』で対応していく。ボリュームゾーンは30~40代のため、CMは10代向けの内容になっているが、選曲は30~40代向けとなっている」と説明する。

エントリー層獲得策としては10代に人気のある恋愛・ゲーム・アニメのコンテンツを活用している。AbemaTV「今日、好きになりました。」に特別協賛し、同番組のメンバーが出演する専用インフォーマーシャルを公開したところ好反響が得られているという。

次世代ガールズバンドプロジェクト「BanGDream!」とのコラボでは写真投稿キャンペーンを展開した結果、「1日500件が投稿されツイッターのトレンド入りした。アニメ系声優の威力を感じた」。

“紅茶派”のブランド広告には、昨今の働き方と紅茶のあり方を反映させた。

「今は疲れた体にムチを打つ働き方ではなく、自分らしく上手に気分転換しながらマイペースに仕事をすることが美徳とされている。その気分転換に適しているのが、カフェインが程よくありリラックス効果もある紅茶だと考えている」。