消費税10%時代到来 軽減対象の食品も「無視できず」

10月1日から消費税が8%から10%に引き上げられ、「消費税10%時代」を迎えた。同時に、外食と酒類を除く飲食料品は軽減税率制度により8%に据え置かれるため、標準税率と軽減税率の2つの税率が混在する初の税制制度が始まった。

増税直前の消費者調査によると、「増税前に節約を意識している人は7割」となり、とくに30代女性に節約意識が高かったが、「飲食費と食費」の節約意向は低く、軽減税率の恩恵とみられていた。だが、蓋を開けてみると業種、業態、業界によって悲喜こもごもの様相だ。

食品各社は「軽減税率が導入される飲食料品は影響が少ない」と口を揃えていたが、増税により景気が一時停滞するのは覚悟している様子。そのため食品メーカーの秋冬向け新製品やプロモーションには例年以上に熱が入り、今秋需戦は新製品やリニューアル品が多い。しかもこれを契機にリニューアルを通して内容量の変更など、実質値上げした商品もある。人手不足やドライバー不足に伴う物流費の高騰など、相変わらず厳しい問題を抱えるからだ。

軽減税率により食品の駆け込み需要は少なかったが、10%に上がった酒類は、9月は3連休が2回もあったことも重なり、酒類が軽減税率の対象外と知ってケース買いの来店客が増え、直前には長蛇の列ができた店もあった。

ビールメーカーの中には9月単月販売量が前年同月比15%増の会社もあった。スーパーでも早くから「増税目前!買うなら今!」と前買いを促した。ただ、メーカーは8%増税時と同じように10月の反動減は覚悟している様子で、「通年でどうなるかがポイント」と冷静だ。

コンビニは、軽減税率対象品をレシートで表示し、店内表示も変更。店内飲食は10%になる旨をポスターで掲出する店もある。大手では店頭入り口に「弁当税込40円引き、カード払いで80円還元」と広告し、スマホ決済を呼び掛けている。

外食は10%、テイクアウトは8%に据え置かれ、外食の10%への増税ダメージを和らげるためキャッシュレス決済によりポイント還元制度が導入された。対象となる加盟店でキャッシュレス決済すれば5%か2%分を還元。対象は中小企業・小規模事業者が運営する店舗は5%、コンビニなどフランチャイズ店舗では2%還元される。だが中小のキャッシュレス対応はまだ時間がかかりそう。10%と8%のわずらわしさから、外食チェーンの中には、店内とテイクアウトを税込みで統一する一方、主要メニューは価格を据え置くが新メニューを投入して価格を改定する店もある。