新・茶系飲料が驀進 “生果と抽出”“紅茶を焙煎” 専業の技を強みに 伊藤園

伊藤園の「TEAs’TEA NEW AUTHENTIC」ブランドが販売数量500万ケース(1億2千万本)の大台突破に向かって驀進している。

同ブランドはそもそも紅茶ブランドだったが、16年に “NEW AUTHENTIC(本当の新しいおいしさ)”のコンセプトが付与され、カテゴリーを問わず幅広くお茶の楽しみを伝えるブランドへと様変わりした。

「伝統と素材を再編集して現代のライフスタイルに合わせた新しいお茶を追求している」と相澤治マーケティング本部麦茶・紅茶ブランドグループブランドマネジャーは説明する。

このようにブランドを刷新してから好調に推移しているのが「ほうじ茶ラテ」で、18年暦年は前年比20%増を記録した。

「現代のライフスタイルに合わせたお茶を」と語る相澤治氏(伊藤園)
「現代のライフスタイルに合わせたお茶を」と語る相澤治氏(伊藤園)

同商品が牽引役となりブランド全体で好転の兆しが見え始めてきたところに、直近の8月に新発売した「生オレンジティー」がヒットし一気に息を吹き返した。「まずは500万ケース達成を目標とし、これが達成できたら次のステージへと向かう」と勢いづく。

「生オレンジティー」は、生果と一緒に紅茶を抽出することで果汁の使用量を減らしながらも遜色ない果実感を実現。素材のおいしさや自然な甘さが感じられるティーポットでいれたようなフルーツティーに仕立てられ、果汁1%で100㎖当たり18kcalに抑えられている。

同商品は発売から約1か月で1千200万本を突破した。秋冬は、この勢いを加速させるべくラインアップを拡充。9月9日に「しあわせ香る 焙じた紅茶」を新発売し、同時に「ほうじ茶ラテ」をリニューアル発売した。「ほうじ茶の香りを “しあわせの香り”と名付けて、ふたつのしあわせな香りを広めていく」考えだ。

新商品の「焙じた紅茶」は、ほうじ茶飲料市場の拡大から気づきを得て開発。「ほうじ茶の飲用理由である “香りがよい” “後味スッキリ” “食事に合う”を紅茶に応用できないかと考え紅茶を焙じてみた」と振り返る。

紅茶を焙煎することで、渋みを抑えて甘く香ばしい香りを引き出した上に、ほんのりと甘さが感じられるように砂糖を加えてパンとの相性を追求した。

「TEAs’TEA」を担当して10年になる黒岡雅康氏(伊藤園)
「TEAs’TEA」を担当して10年になる黒岡雅康氏(伊藤園)

マーケティング本部麦茶・紅茶ブランドグループ商品チームの黒岡雅康氏は有糖にした理由について「そもそも紅茶はミルクや砂糖を入れることを前提に発展してきている。砂糖を少しだけ入れることで焙煎した香りをさらに心地よく感じてもらえるようにした。水もそうだが、少し甘さのある方が喉の通りがよくなる」と語る。

100㎖当たりのカロリーは、一般的なストレートティーが16kcal程度であるのに対し「焙じた紅茶」は9kcalとなっている。店頭ではパンとの相性を訴求していくため、パン売場でのクロスMDを提案していく。

一方、刷新した「ほうじ茶ラテ」は、新たなラテ専用茶葉を厳選使用したほか、瞬間的に高温短時間で焼き上げる「膨化焙煎」とほうじ茶の香りを閉じ込める「蒸らしドリップ抽出」を採用して香り立ちを強化した。

当面は「ほうじ茶ラテ」「焙じた紅茶」「生オレンジティー」の3品で売場をつくっていく考えで、キャンペーンは3品を対象商品とし、女性ファッション誌「CanCam」(伊藤園想定ターゲット20代前)、「sweet」(20~30代)、「リンネル」(30代)、「STORY」(40代)とコラボして展開。パッケージの応募マークを48枚集めて応募すると、焙じの体験ができる茶香炉やオリジナルバッグの景品が必ずもらえるようになっている。

景品は茶香炉・オリジナルバッグとも各誌の読者層に合わせて異なるタイプを用意(TEAs’TEA NEW AUTHENTIC)
景品は茶香炉・オリジナルバッグとも各誌の読者層に合わせて異なるタイプを用意(TEAs’TEA NEW AUTHENTIC)

景品は「各誌の編集者、読者、モデルのご意見を取り入れながら一緒になって開発した」とし、茶香炉・オリジナルバッグともに4誌の読者層に合わせて異なるタイプを用意している。「デジタルとリアルの両面でキャンペーンを盛り上げていく」考えだ。

「お~いお茶」ブランドと連携して、ほうじ茶市場にもアプローチしていく。ほうじ茶飲料市場は「お~いお茶 ほうじ茶」が牽引役となり08年から18年までの10年間で約3倍の420億円へと拡大したと推定される。

今後、「お~いお茶 ほうじ茶」は無糖のほうじ茶、「焙じた紅茶」は甘さ控えめの有糖のほうじ茶、「ほうじ茶ラテ」はミルク入りほうじ茶ラテを代表するものとして棲み分けを図りながら訴求を強化していく。

10月1日の「日本茶の日」では店頭で大茶会と称した催事を開催してリーフ商品とともにほうじ茶全体をアピールする。