J-オイルミルズ 創立15周年、新たなステージへ 「技術・提案で貢献する企業に」八馬社長

J-オイルミルズは6日、都内で専門誌との懇談会を開催。今期の概況や方針について、八馬史尚社長、善当勝夫取締役兼専務執行役員が次のように語った。

「プレミアムオイルさらに拡大へ」八馬社長

令和元年も残り4か月となり、10月の消費増税も目前に迫っている。食品は軽減税率の対象だが、外食への影響や節約志向の高まり、ポイント還元に伴う流通構造の変化が懸念されている。当社は今年7月で創立15周年を迎えた。事業統合から次のステージに向けて、社会に貢献する企業としてさらなる成長を目指す。

第1四半期の決算は減収だが、利益面ではほぼ計画通りで推移している。足元の原料コストは当初の想定よりもポジティブな状況にあるが、一方で物流費をはじめとする事業インフラコストの上昇が続いている。製油産業は装置産業といわれるが、生産にかかる固定費よりも、原料や物流費の変動が与えるインパクトが非常に大きい。

3月の価格改定では従来の相場変動と、物流費をはじめとする事業インフラコストを分けて説明した。人手不足やコスト上昇でユーザーも厳しい環境にある。より丁寧に状況を説明し、価格改定への理解を得るとともに、私どもの技術でさまざまな課題解決に貢献していくことが重要だ。

こうした考えのもとで、業務用では「長調得徳」「J-OILPRO」に続き、今秋は炊飯用の米油を新たに発売した。米は食材仕入高の14%を占めており、外食店では今後の消費増税や食材コストの上昇が深刻な課題となっている。外食店でも炊飯油を使用することで作業性改善や品質アップに加え、炊き増しや歩留まり改善にも貢献できることを提案している。家庭用では太田油脂との共同開発で、適量サイズの「えごま油」「アマニ油」を発売した。高まる健康志向に応え、好調なプレミアムオイルのさらなる市場拡大につなげていく。

事業の選択と集中、効率化の取り組みでは営業拠点の再編を進め、このほど76年の歴史を積み重ねてきた坂出事業所の譲渡を決めた。取り巻く環境は不透明な状況が続くが、下期に向けて事業基盤のさらなる強化と、付加価値品の拡大、お客さまに役立つ提案を重ねていく。

善当勝夫専務(J-オイルミルズ)
善当勝夫専務(J-オイルミルズ)

「付加価値品を強化」善当専務

営業部隊として、3月に発表した価格改定の実現に努めている。足元では為替や原料状況が変化しているが、それ以上に物流費をはじめとするインフラコストの上昇が深刻化している。こうした状況をお客さまに丁寧に説明し、油脂の価値と価格について理解を得ていきたい。

先日、ある講演会で日本の少子化リスクについて聞く機会があった。今のペースでいくと、日本の人口は2053年に1億人を割り込み、100年後には5千万人を下回る。平成の30年間で少子化が進み、何も手を打つことができず、もはやプラスに転じるのは難しいという。製油産業も搾油の競争力だけでは、もはや生き残れない時代になった。ウエートの大きい汎用油はコストに見合った価格でしっかりと販売しながら、より付加価値の高い油やスターチ、マーガリンの拡販を進める必要がある。