キリン×サッポロ 共同でホップをアピール 現場の想いでコラボ実現

キリンビールとサッポロビールは、北海道で生まれた世界的な人気ホップ「ソラチエース」の誕生35周年を祝う「ソラチエース誕生祭~こちらでソラチ、そちらでもソラチ~」を5~16日まで、東京のグループ店舗で開催している。大手ビール社が共同でイベントを実施するという珍しい試みだ。

キリンビールは昨年10月に米国ブルックリンブルワリーの「ブルックリンソラチエース」を北海道で先行発売、今年2月には全国展開を始めた。サッポロビールも4月に「イノベーティブブリュワー ソラチ1984」を発売している。

サッポロビールでイノベーティブブルワーブランドブリューイングデザイナーを務める新井健司氏は5日に開かれたイベント発表会で「国内ビール市場の減退が続く中、メーカーは単純に商品だけで提案するのではなく、異なるアプローチでビールを飲む楽しさ、面白さを提案できないかを課題として持っていた」といい、今年に入って両社から「ソラチエース」を使ったビールが発売されたことで「このタイミングしかないと思った」と話す。

5月に東京で関係者向けに開かれたソラチエースを飲み比べるイベントで、キリンビールの尹惠楨氏(企画部クラフト戦略チーム兼ブルックリンブルワリージャパンブランドアンバサダー)と顔を合わせ、コラボレーションの話になった。

それぞれが社内で検討。尹氏は「キリンは100年以上の歴史を持つ会社なので、保守的な部分があると思った」が「相談したら皆がオープンマインドで、儲けたい、よりも『面白いからやってみよう。ビール市場を面白くしたい』となった」とコラボにこぎ着けた。

新井氏は「前代未聞のコラボだが、両社を結びつけたのは偶然というより必然的」とし、「日本生まれのホップを日本人に知って飲んで広がってほしい」と期待。「ホップ産業やビール市場の活性化にも一緒に努めたい」と意欲を示す。

5月の顔合わせの後、2か月ほど具体的な話はなく短期間での準備となったが、「まずは一緒に開催して形にすることに意義があった」(尹氏)とする。日頃は競合関係にある両社だが「ボーダレスになる感覚が面白い」(同)。また、「昔は欧州でもさまざまな種類のビールがあった。日本でもその端緒になれば」(同)と想いを込める。

食との相性について、ブルックリンブルワリーの醸造家であるギャレット・オリバー氏は「ソラチエース」の香りから、シーフードに合うビールのレシピを閃いたとされる。尹氏は「鼻の中で香りが広がるので、魚と非常に合う」と胸を張る。

イベントはサッポログループの「ビヤケラー東京 新橋店」と、キリングループの「ビア トゥー ゴー(BTG)」(東京・銀座)で開かれる。「ビヤケラー東京」では「ソラチ1984」が、「BTG」では「ブルックリンソラチエース」が提供され、それぞれフードペアリングが楽しめる。