過熱する睡眠ビジネス 機能性表示で“質の向上” 「睡眠負債」解消へ各社名乗り

睡眠ビジネスが活気づいている。アロマや入浴剤、医薬品、お昼寝カフェなどカテゴリーは多岐にわたるが、中でもサプリメントが注目され、機能性表示食品に認定された商品も多く出回っている。販売チャネルは通販が多いが、ドラッグストアでも存在感を保っている。働き方改革が浸透する中で、残業など業務の改善だけでなく、休息のあり方に目が向けられている。労働時間の使い方が重要になり、起きている時間に効率的なパフォーマンスを発揮するには「睡眠」がカギと言われ、質の良い睡眠に向けて食品業界のアプローチが活発化している。

日本人の睡眠時間は世界でワーストワンと言われ、その経済損失は約15兆円ともみられている。「睡眠負債」という言葉も聞かれるようになった。睡眠不足が借金のように積み重なることで、負債がたまると業務パフォーマンスが低下し、生活習慣病の原因にもなる。

5人に1人が睡眠に問題を抱え、40~60代の女性が最も睡眠時間が短いという調査もある。処方箋として医薬品の睡眠改善薬も出回っているが、中でも睡眠をサポートする栄養素(グリシン、テアニン、GABAなどのアミノ酸)を含んだサプリメントや機能性食品、ドリンクなどが各社から発売され、注目されている。

ハウスウェルネスフーズ「ネルノダ」のテレビCM
ハウスウェルネスフーズ「ネルノダ」のテレビCM

味の素社は、2005年からアミノ酸グリシンの機能を生かした機能性表示食品、睡眠サポートサプリメント「グリナ」を発売し、健康基盤食品の中心的な存在に位置付けている。通販サイトの販売だが、口コミも手伝って広がりを見せている。ハウスウェルネスフーズは、今年3月から睡眠の質の向上に役立つ機能があるGABAを配合した機能性表示食品「ネルノダ」を発売。眠りの深さとすっきりとした目覚めに役立つ製品として全チャネルで販売。俳優の遠藤憲一さんを起用したTVCMを放映している。

大塚製薬はアスパラガス由来成分を含む機能性表示食品「賢者の快眠」を、昨年から通販やドラッグストアで発売。就寝・起床リズムを整えることにより、睡眠の質を高めることをサポートするサプリメントとして展開。同時に「目覚め方改革プロジェクト」を開設し、睡眠に対する認知を高める情報を発信。このほど開催したセミナーでは明治薬科大学リベラルアーツ・心理学の駒田陽子准教授が「ポジティブな生活に必要なリズムの重要性」をテーマに講演し、「睡眠負債解消には寝だめは逆効果で、生活のリズムを意識することが大切」と訴えた。

また、桃屋は8月末からオンラインショップ限定で熟成にんにくエキスを配合した機能性表示食品「桃屋のいつもいきいき」を発売。睡眠の質の向上と疲労感軽減機能を訴求する。江崎グリコは6月から初の機能性表示食品「エキストラ アミノアシッド テアニン」をオンラインストアで発売。睡眠の質を向上する機能がある「L-テアニン」を配合し、休息サプリメントとして展開している。

ネスカフェ出張眠らせ隊
ネスカフェ出張眠らせ隊

進化する“睡眠カフェ”

ネスレ日本は今年3月からNPOまちづくり大井とコーヒーウエルネスプロジェクトを立ち上げ、睡眠不足や睡眠負債に注目し、コーヒーの飲み分けを通じた睡眠スタイルを提案する体験型カフェ「ネスカフェ睡眠カフェ」を展開。8月からは大井町駅周辺企業に質の高い日中の昼寝(仮眠)を推奨するプログラムをレクチャーする「ネスカフェ睡眠カフェ×ゼロジム出張眠らせ隊」により、昼寝の質を高めるストレッチと眠りの瞑想を中心とした運動プログラムをレクチャーするサービスを始めた。