チビダラ飲みに「窮屈」の声 「ボス」缶で“一服”の価値追求

ショート缶コーヒー(ショート缶)の売上げの大半は、1日に複数本飲む40代を中心としたヘビーユーザーに支えられている。

近年は、このヘビーユーザーがペットボトル(PET)入りコーヒーに流出し、PETコーヒー市場が拡大する一方、ショート缶市場はダウントレンドにある。

こうした中、サントリー食品インターナショナルは、直近4か月の市場動向からショート缶で復調の兆しがあると判断。秋冬にこの流れを加速させるべく「ボス」のショート缶で新商品を投入するなどしてショート缶が持つ「つかの間の一服」の価値に磨きをかける。

27日、都内で発表した柳井慎一郎常務執行役員ジャパン事業本部ブランド開発事業部長は復調の兆しについて「ショート缶のお客さまが戻ってきている。「PETコーヒーは作業をしながら飲めて便利な一方、仕事の切れ目がなくなり窮屈で気分転換できない」といったお声がお客さまから上がってきたのと同じタイミングで、ショート缶の人数・間口が少し戻ってきた」と説明した。

同社推計によると1~7月ショート缶市場は前年同期比6%減。この中で「ボス」ショート缶は1%増となった。

柳井慎一郎常務㊧と福永すみれ氏(サントリー食品インターナショナル)
柳井慎一郎常務㊧と福永すみれ氏(サントリー食品インターナショナル)

9月3日に発売開始されるショート缶の新商品「カフェ・ド・ボス」2品は、この復調傾向を後押しするものとして同社は期待を寄せる。

「ショート缶に戻ってくるヘビーユーザーとともに若い人たちに少しでもアプローチしたいという想いを、コミュニケーションを含めて『カフェ・ド・ボス』に込めた」という。

ショート缶についてはヘビーユーザーの減少に加えて若年・女性層の新規ユーザーが入ってこないのが低迷要因となっている。

「カフェ・ド・ボス」は新規ユーザーをメーンターゲットに中身を設計。開発を担当したブランド開発事業部の福永すみれ氏は2品共通の中身の特徴を「サントリーコーヒーロースタリーの新型焙煎機でコーヒー豆のボディを引き立てながら少しクセのある香りを抑制して焙煎するとともに、独自エスプレッソを1.2倍以上使用した」と語った。

「しっかり振って」 パッケージでアピールする「ふんわりカプチーノ」
「しっかり振って」 パッケージでアピールする「ふんわりカプチーノ」

2品のうち「ふんわりカプチーノ」は、ミルクを多めに使用し、液体の音が小さくなるまで振って泡立つ設計。飲み口の面積はこのクリーミーな泡立ちが楽しめるように通常のショート缶に比べ20%広くした。

コミュニケーションは、立川談春さんと岡崎体育さんを起用したTVCMを放映するほか「ショート缶に興味を持たないお客さまに一度手に取ってもらえる施策をふんだんに用意しようかと考えている」(柳井部長)。

秋冬はPET入りのコーヒー・紅茶「クラフトボス」にも注力していく。1~7月は「クラフトボス」全体で26%増、「クラフトボス」のコーヒーだけで6%増となった。

1~12月年間で前年より300万ケース多い3千万ケースの大台突破を目指して、秋冬にホット商品を4品投入する。

これまでの「クラフトボス」の販売動向については「『ブラック』は同じ買い場で少しずつお客さまが増えてきている。『ラテ』は『ブラック』よりも市場が大きく出荷も高いところで推移している。『ミルクTEA』は一部で『ラテ』とカニバリを起こしているが、想定の範囲内で収まっており好調に推移している」と振り返る。

なお新たな買い場創造としてはLINEで事前注文してカスタマイズしたコーヒーをロッカーですぐに受け取れるボトルスタイル・カフェ「TOUCH-AND-GOCOFFEE」を都内1か所でテスト展開している。