急がれる「ヴィーガン」対応 ホテル・レストラン向け 訪日外国人の急増で

世界的にヴィーガンやベジタリアンの波が押し寄せる中、来年の東京オリンピック・パラリンピックを控え国内の食品企業や外食企業がその対応を急いでいる。ヴィーガンは絶対菜食主義、ベジタリアンは完全菜食主義とも言われ、欧米諸国を中心にそのライフスタイルは着実に増えている。

ヴィーガンを肉代替品に置き換えると、米国の肉代替品市場は約1千500億円、EUで約2千億円の市場と言われ、「日本では2022年に16年比で76%増の254億円規模になる」(大塚食品調べ)と予測されている。ヴィーガンが肉代替品市場とは一概に言えないが、グルテンフリーや低糖質・糖質制限、無添加・オーガニックなどを含め、特定の食生活を志向する人が年々増えているのは確かで、訪日外国人が急増する来年に向けて、国内ではそのニーズが高まるのは確実だ。

訪日外国人観光客の増加に伴い、来年の東京オリンピックでは4千万人に近い観光客が来日することが予想される中で、食文化が異なる日本でヴィーガン料理を食べられる店を探すのは一苦労とされている。しかも国内では人手不足の事情から対応が難しい。そこで食品メーカーでは主にホテルやレストラン向けの食材の対応を急いでいる。

日本では不二製油が大豆ミートを食品メーカーや外食チェーンに向けて供給。大豆ミートの開発は1960年代からと歴史も古く、大豆由来の人工肉素材の国内シェアトップを誇っている。カゴメは業務用で、外食のヴィーガン・ベジタリアン対応のマーケティングを始動。オリンピックを踏まえて訪日外国人が増え、しかも開催後も外国人の訪問客が減らず、ヴィーガン・ベジタリアンが顕在化すると予測。そこで「野菜だし調味料」を9月から業務用チャネル限定で全国発売する。こだわりの野菜だしを原料に使用しており、料理に活用することで野菜の煮込み感を付与できるとしている。

米久は、健康志向に対応した「米久のノンミート」を今秋から業務用で発売し、肉代替市場に参入する。原料に大豆を使い、カロリーを低減。ハム・ソーセージの製造で培った技術を生かし、従来のノンミート商品を超える「まるでお肉を食べたような満足感」を目指し開発した。大塚食品は、家庭用だが大豆を使った肉不使用「ゼロミート」シリーズの第2弾として、ハンバーグに続き「ゼロミートソーセージタイプ」を関東エリア中心に6月から発売した。

豆乳やアーモンドミルク業界でもヴィーガンに対応したメニューを提案し、訪日外国人のニーズに応えようとしている。