拡大する中食惣菜市場 「コンビニの客奪え」業態間で競争激化も

中食惣菜市場は右肩上がりで成長を遂げている。2018年の惣菜市場は9年連続で拡大。市場規模は10兆2千500億円を超えた。核家族化と単身世帯の増加、女性の社会進出、少子化・高齢化が進んでおり、食卓にプラスアルファを与えられる簡便惣菜の需要は引き続き高まると予測されている。さらには10月からの消費税増税が、軽減税率の対象となる中食惣菜の需要を押し上げるとも考えられている。

こうした環境下、業態間で買い物客争奪戦が活発化。スーパーマーケットがグローサラントを店舗内に設置するなどして外食市場の獲得に乗り出す一方、ドラッグストアは中食や生鮮品の取り扱いを拡大し、外食でもカフェなどが持ち帰り戦略の強化を図りランチ需要の獲得に動く。各業態で惣菜チャネルトップのコンビニエンスストアから買い物客を奪おうとする戦略が本格化している。

さらに食品や総合スーパーでは差別化や高品質化の動きも。店内調理や店内炊飯による出来立て惣菜の提供により独自性を鮮明に打ち出す取り組みなども増えている。食品スーパーではセントラルキッチンの活用も浸透しており、自前のデリカセンターでの内製化も目立つ。

こうした攻勢に対してコンビニも黙っていない。セブン-イレブンでは今期、10兆円を超えた中食市場で約14%のシェアを握る強みを生かし、品質向上による圧倒的な差別化に取り組む。ファミリーマートは、約25%だったチルド弁当の構成比を、今期から約40%へと引き上げた。チルドにすることで使える食材の自由度が増し、バラエティーも向上したという。ローソンでは、今期は「減塩」「低糖質」「添加物削減」が3機軸。健康中食の拡大に取り組む。

一方で惣菜メーカーにはおいしさや品質の向上だけでなく、各店舗や購買シーンごとでの売れ筋を探ることがこれまで以上に求められるようになった。小売のアウトパック商品も高付加価値化を念頭におき、採算に合わない内容の仕事は減らしているケースもある。顧客のニーズを把握し商品開発につなげるべく、メーカーが試験的に店舗展開するなどの新たな試みも見受けられている。

生活に浸透する中食惣菜だが、供給側の慢性的な人手不足が市場成長を阻害すると危ぶむ向きもある。昨年12月に出入国管理法が改正され、わが国は外国人労働者の受け入れ拡大に向け動き出した。こうした外国人労働者に対して、業界団体主導による技術習得支援はもとより今後は食の安心・安全や衛生意識の向上を学ぶ仕組みを強化するという動きも出ている。単に作業者を増やすだけでは根本的な問題解決に至らないことから、メーカーや卸では工程数の削減を実現するようなミールキットや新規材料を提案。生産性向上へのさらなる取り組みを進める。