今年の鍋トレンドは「映え」より「地味」? 万城食品、いりこ出汁の本格鍋つゆ投入

和食の基本であり、味を支える「出汁」が注目され、本格出汁にこだわる本物志向が高まる中で、鍋つゆにも出汁が特徴の製品が登場する。讃岐うどんには欠かせない「いりこ出汁」の旨み・コク・風味が味わえる鍋つゆがそれだ。

わさび製品を中心に香辛料や調味料を展開している万城食品(静岡県三島市)は、香川県伊吹島のブランドいりこ「伊吹いりこ」を100%使った鍋つゆ「いぶき鍋つゆ」を9月1日からスーパーの鮮魚売場および万城食品オンラインショップ、万城食品楽天市場店などで新発売する。

「伊吹いりこ」は香川県伊吹島の特産品で、伊吹島の沖合で漁獲されたカタクチイワシを鮮度が高いうちに加工し、独特なえぐみなどを排除しており、ブランドいりことして知られている。伊吹漁業協同組合が扱っており讃岐うどんの出汁にも使われている。

「伊吹いりこ」認定ロゴマーク
「伊吹いりこ」認定ロゴマーク

「いぶき鍋つゆ」は、鍋つゆ商品では初めて「伊吹いりこ」の認定を取得したロゴを使用。讃岐うどんには欠かせない「いりこ出汁」の旨み、コク、風味が味わえる。ストレートタイプ(750g)と濃縮タイプ(120g)の2種類があり、ストレートタイプはそのまま鍋に入れて使用、濃縮タイプは1袋に1人前の小袋(30g×4袋)がパッケージされており、味の濃さや作る量を好みで調節できる。

万城食品は今年6月、女性1千200人を対象に需要調査を実施。その結果、「鍋の美味しさの決め手は何か」という質問では67%が「出汁」と答えた。また「令和元年の冬に食べたい鍋」の調査でも、見た目にインパクトはないが健康で安定的な味が楽しめる「地味鍋」が、「チーズ鍋」や「パーソナライズ鍋」を上回って63%と圧倒。SNSなどで「映え」がブームとなっているのを受けて、食事をする時に「味」と「映え」のどちらを重視するかを調査したところ、圧倒的多数が「味」と回答。「映えを意識した変わり種の鍋が次々と登場する一方、女性の多くがフォトジェニック疲れや映え疲れを感じていると推測される」(同社)。

(左から)三代康雄部長(万城食品)、梅津有希子氏(だし愛好家)、山田麻友子係長(万城食品)
(左から)三代康雄部長(万城食品)、梅津有希子氏(だし愛好家)、山田麻友子係長(万城食品)

万城食品は5日、東京都中央区東日本橋の営業本部で鍋つゆ商品発表会を開催。この中で三代康雄取締役マーケティング部長は、「いぶき鍋つゆは今年一押しの新商品だ。香川県伊吹島のブランドいりこである伊吹いりこを100%使用し、自然な味が味わえる」と強調。

また、開発研究課の山田麻友子係長は、「開発に当たっては、さまざまな煮干しを吟味した伊吹いりこをみつけた。温度や時間を変えて試作を繰り返したが、ブランドいりこだからこそ味わえる甘味、コク、香りを鍋つゆに再現した」と説明した。

だし愛好家の梅津有希子氏はトークセッションの中で、「今やジワジワだしブームがきている。出汁の専門店が出店され、情報番組や雑誌でも出汁が特集され、出汁に反応する女性が増えている。万城食品の調査からも出汁を生かした鍋への要望が強いと分かりホッとしたが、店頭に出回っている鍋つゆは味が濃く、飽きてしまう。いぶき鍋つゆはブランドいりこを使っているため自然な味わいで、にぼしくささもない」などと評価した。