焼酎 10連休で消費は伸びず 「健康」がカギ?

厳しい推移が続く焼酎市場だが、甲類は業務用のレモンサワーブームにより他の和酒より下げ幅が小さいが、乙類の落ち込みはやや大きい。回復への決定打は見いだせない中、地道なテコ入れが模索されている。

一方で今年4月の課税数量は甲類が前年比106%、乙類は109 .9%となった。これは史上初の10連休に備えた受注のためだが「期待した数字をやや下回り、仮需とはいえない」との声も聞かれた。また連休中の消費は大きく広がらず、5~6月は市中在庫が残ってしまった模様だ。

甲類では業務用のレモンサワーが下支えしているとされるが、大容量のペットボトルを中心とした家庭用での落ち込みが続く。外食でブームと言われつつも家庭で手作りするユーザーは少なく、RTD(缶チューハイ)やサントリー「レモンサワーの素」などが受け皿になっている模様だ。サッポロビールも10月8日に「濃いめのレモンサワーの素」を発売する。

乙類でも、特に西日本のスーパーではRTDへ流出していると言われるが、東日本でははっきりしないまま落ち込んでいる。乙類が多い九州にも波及し始めたレモンサワーと合わせて甲類が入るケースも見られ「ますますユーザーの奪い合いになる」との声も。一部を除き情報発信不足も指摘され、他酒類と比べて埋没気味とも言われる。

落ち込みが目立つようになってからは紙パック商材を中心に上位メーカーによる価格戦も激しい。「個々の販売容量は増えるだろうが、市場全体では利益は伸びず苦しい」との声も多い。

混和市場も厳しいが、代表的なブランド、アサヒビール「かのか」、サッポロビール「こくいも」は安定的な動き。

ただ、高齢者の増加に伴い再び健康志向に注目が集まるのでは、との声も複数聞かれる。食を選ばない焼酎の良さとともに脚光を浴びる可能性があるとして「その時に選ばれるものを造らないと」(メーカー関係者)という。「選ばれるためには明確なコンセプトが必要だ」(同)と言われる。健康や食が鍵となる可能性もあろう。

ビール社系グループなど営業力の強い企業は市場回復へ手を打つ。アサヒビールは「麦かのか」がレモンサワーとしても飲まれていることを踏まえて業務用で果物入りの炭酸割を提案。「金黒」では芋焼酎ハイボール「キンクロタンサン」提案を、壇蜜起用の販促資材とともに拡大を図る。

サッポロビールでは昨年の秋に家庭用にも広げた乙類「和ら麦」のコミュニケーションを強化、飲食店での露出も高めていく考え。混和芋ブランド№1の「こくいも」では赤芋の原酒が当たるキャンペーンを実施する。

メルシャンでは業務用を中心に「白水」のソーダ割り提案を展開、間口は増えつつあるという。市場では米焼酎が少ないこともあり「こめ焼酎白水」では梅干を入れた炭酸割を「おにぎりハイボール」として提案中。炭酸割の提案を、家庭用でも定番化を図りたい考えだ。