塩「悪玉」論の危険性

猛暑シーズンになると、ここ数年はニュースで塩分摂取の必要性が流れるようになった。喉が渇いて水ばかり摂ると人体に必要なミネラル分が不足し熱中症になってしまう。水分ばかり補給していたマラソンランナーが途中で倒れてしまう事態もあった。

▼一方で、塩はなるべく摂らない方がいい、という話もまことしやかに出回っている。塩と高血圧の因果関係は明確ではないとされるが、減塩を推奨する動きが加速している。みそや醤油などの調味料でも減塩商品が多く出回る。

▼塩分の許容量は個人差が大きい。塩分をたくさん摂ると血圧が上がる人と、そうでない人に分けられ、日本人はそうでない人の比率が高いといわれる。元々、和食の基礎調味料として日本人の身体には塩の耐性ができているのではないか。

▼汗をかく量によって必要な塩分量は当然変わってくる。工事現場など炎天下で働く人にとって塩は不可欠であり、塩や塩飴をなめて作業する人も多い。塩は悪いという一見わかりやすい構図は、人によって逆効果をもたらす危険性が潜むことを認識してもらいたい。