コーヒー生産者と消費者双方に利益 UCCの品質コンテストとは

コーヒーは、相場に左右される国際商品であり天候の影響を受ける農産物でもある。世界的に消費量が拡大傾向にある中、コーヒー相場の下落や霜害・旱魃(かんばつ)・さび病などに左右されにくい持続可能な生産への取り組みは生産国・消費国双方のメリットになる。このような考えの下、UCCグループは01年からブラジルを皮切りに各主要生産国で品質コンテストを実施している。

品質コンテストとはコーヒーの良し悪しを決定する味や香り、国によっては労働環境や自然との共存などの視点も審査対象とする品評会のことで、UCCでは入賞したコーヒーを日本で期間限定販売しているほか、生産者に直に接して品質向上のための技術指導などを行っている。

中村公佑氏(UCC上島珈琲)
中村公佑氏(UCC上島珈琲)

UCC上島珈琲の中村公佑SCM本部原料輸入部係長は7月30日、メディア向けコーヒーセミナーでコンテストを開催するに至った背景についてコーヒーの需給バランスの乱れからくる相場の変動を挙げる。

「特に2000年から01年にかけて、コーヒー価格が1ポンド40セント台で推移した中、この時の生産国側の生産コストが1ポンド当たり70~80セントで、売れても30セントくらいのマイナスになった」と指摘する。

生産者にとってコーヒーが魅力のない農作物になってしまうと、肥料や農園への投資を控えるようになり、場合によっては生産放棄や他の魅力ある農作物への転作が進み生産量が低下してしまう。

「生産コストで最もかかるのは収穫のコスト、つまり人件費。相場が低迷すると複数回すべきところを1回の収穫で終えてしまい品質が低下する。すると高値では売れず生産者の収入が減ってしまうだけでなく、われわれ消費国にとっても品質の安定したコーヒーが買えなくなるという悪循環に陥る」と説明する。

このような悪循環を防ぎ生産者・消費者のWINWINの関係構築に向けたものとして品質コンテストは行われている。

「生産者にとって生活水準の向上、コーヒーの品質向上、生産エリアのコーヒー産業の発展がメリットになり、われわれとしてはコーヒーの安定的な調達と環境保全、生産者とのパートナーシップの向上を目的としている」。

技術指導では害虫駆除、収穫後のコーヒーチェリーの扱いなど多岐に及び、コンテストの副賞には農具や農機具を用意して生産者の生産意欲向上を促している。

「生産者が主体的に取り組んでいただけるような内容で技術指導することによって持続可能な生産ができる効果が得られる」という。

コンテストは多くの生産者が手掛けるコモデティコーヒーの品質向上を主眼とし、その点で最高級品質を競うカップ・オブ・エクセレンス(COE)と異なる。入賞ロットは、ハイグレードコモデティからスペシャルティに差し掛かるグレードが水準になっている。

UCCはSDGs(持続可能な開発目標)の“つくる責任・つかう責任(12番)”と“パートナーシップで目標を達成しよう(17番)”のゴールにも貢献するものとして、品質コンテストを継続していく。