泡でおいしさ増すコーヒー 提案多様化 夜に着目した動きも

泡のメカニズム キーコーヒーが官能評価と科学的分析

①水出しコーヒー(コールドブリューコーヒー)と②それをディスペンサー(サーバー)で泡立てたものをキーコーヒーの専門パネラーが官能評価したところ、①に比べて②のほうが、口当たりの柔らかさや甘みの強さの評価が高く、渋みや刺激臭(酸の香り)の評価が低く出た。

ディスペンサーは、窒素を使わず空気を取り込んで泡立てる「KEY COLD CREMA COFFEE」を使用した。

キーコーヒーの大塚祐一マーケティング本部開発研究所主幹は、味覚認識装置でこのような差異を分析したところ「泡層に苦みが極端に強く出て、液層の苦みの主要成分と言われているカフェインやクロロゲン酸類が非常に多いことが分かった」と語る。

ディスペンサー「KEY COLD CREMA COFFEE」の実演
ディスペンサー「KEY COLD CREMA COFFEE」の実演

泡に苦みが集まるのは、起泡(きほう)分離現象によるもので、「液体には水に溶けやすい物質が残り、泡には水に溶けにくい疎水性成分、微粉、多糖類が吸着する。コーヒーの疎水性成分には苦み成分が多く含まれている」と説明する。

水に溶けにくい泡はフタの役割も果たし、香りの揮発を抑制する。50分測定したところ、①は約17%香気が減少したのに対し、②は減少幅を5%程度にとどめた。

キーコーヒーは業務用で「KEY COLD CREMA COFFEE」を約300台展開し拡大基調にあるという。

現在、着目しているのが夜の飲用シーン。折原拓朗マーケティング本部R&DグループFTプロダクトチーム担当課長は「当社としてはナイトコーヒーという新たなシーンでの提供に非常に注目、黒ビールのような見た目を生かし泡コーヒーで乾杯というような場面を創出したい」と意欲的。

(左から)大塚祐一氏(キーコーヒー)、富田佐奈栄氏(佐奈栄学園)、折原拓朗氏(キーコーヒー)
(左から)大塚祐一氏(キーコーヒー)、富田佐奈栄氏(佐奈栄学園)、折原拓朗氏(キーコーヒー)

そのためのメニュー提案について、佐奈栄学園カフェズ・キッチン学園長の富田佐奈栄氏は「泡のおかげで紅茶に負けないくらいの多彩なアレンジメニューができる」と述べる。

キーコーヒー本社で18日開かれた体験会で、富田氏は簡便と付加価値アップをコンセプトに、ゼリーやシロップ、ノンアルコールビールなどを使った4種類のメニューを実演で紹介した。

UCCグループは2タイプの独自開発サーバーを用意して業務用で泡コーヒーを提案。現在は、エスプレッソタイプの業務用レギュラーコーヒーブランド「ラルゴ」と組み合わせたアルコールメニューやモクテルなどのメニュー提案に注力。

サーバーの中には、タンクのような形をした「Nitroコーヒーディスペンサー」もある。これを輸入販売するブルーマチックジャパンの河口雅明社長は同製品について「窒素を充填して10回振るだけで泡のあるコーヒーができる。電源は不要で、タンクのまま冷蔵庫に保管できる」と紹介する。

家庭用に泡コーヒーを提案しているのはネスレ日本。17年に据え置き型のサーバーを発売し、18年からは、より手軽にアイスクレマを楽しんでもらうことを目的に「ネスカフェ ゴールドブレンド ハンディ アイスクレマ サーバー」を発売。

ネスレ日本は今春、泡立ちのあるブラックだけでなく、泡立ちのあるラテも作ることができるサーバーを新たに発売。その反響は上々で、「屋外でも使われており、様々なシーンで新しいアイスコーヒーの飲み方が広がっていると考えている」(ネスレ日本)。