レシピ動画を惣菜・生鮮拡充の切り口に 伊藤忠食品

伊藤忠食品はこのほど発表した動画メディア「DELISH KITCHEN」を運営するエブリーとの提携について今後の方針を示した。

26日、大阪市で開いた会見で伊藤忠食品の星利夫経営企画本部長代行は「消費者が何のメニューを作るか考え、購買するところまでのすべてを『DELISH KITCHEN』のプラットフォームでワンストップで解決できる」と強調した。

星本部長代行は「2万5千本以上の動画レシピと、20~50代の幅広いユーザーを持ち、すべてのレシピが管理栄養士や料理研究家が監修したもの。2千万人以上の利用者がいる」という「DELISH KITCHEN」の強みを挙げ、「アプリと連動することで、ネットからリアル店舗へ顧客を誘導できる」と説明。利用者のうち20代、30代が50%近くを占めており、特に若い世代への効果を期待する。

また、メーカーに向けては店頭サイネージでタイアップコンテンツや広告を配信するだけでなく、小売業と連携しPOSデータを分析し「効果が見える販促」を提案。

将来的にはエブリーが運営する母親向け、男性向けなど、ほかの動画メディアと食とをつなげた展開も視野に入れる。エブリーの鵜飼勇人OMO事業部長は「デジタルだけでなく、店舗やオフラインへの進出も図りたい。伊藤忠食品の大きな基盤で力を合わせ、事業推進していく」と述べた。

「リアル店の成長をサポート」 星本部長代行の話

星利夫本部長代行(伊藤忠食品)
星利夫本部長代行(伊藤忠食品)

リアル店舗を持つ小売業がわれわれのメーンの顧客であり、そこでは生鮮デリカが差別化のポイントとなる。リアルならではの売場をどう作っていくか。人口減少、高齢化の中でマスマーケティングは通用しない。今後、ロイヤルカスタマー化、買上げ点数のアップが成長の重要な要素になる。

惣菜や生鮮は当社があまり強くない分野だが、今回のエブリーとの提携を通じ、新たな切り口でこの分野に進出しようというのが方向性だ。例えば惣菜においては、レシピを利用したメニューやミールキットの開発が考えられる。

今まで食品卸はモノを紹介し売って、運ぶのが仕事だったが、ITが進化する中、それだけでは駄目で、小売りやメーカーに販売促進のサービスを提供するのが中間流通の新しい姿と考えている。

あくまで既存事業がメーンだが、こうした取り組みにより商品が売れれば取引も継続できる。将来的には「DELISH KITCHEN」のサポートプログラムを当社だけが使うのではなく、あらゆる卸と連携していくことで、業界のスタンダードなプラットフォームになれば良いと考えている。

これを推進することによって、リアルなSMの成長をサポートしていきたい。まずは小売店舗へのサイネージ導入を進め、4年後に6千店を目指す。