アーモンド飲料 “第3のミルク”浸透 市販・業務用とも多彩な活用進む

ナッツ類の健康・美容機能は、毎日の食べ物に気を遣う意識の高い消費者にとって、もはや常識として定着。なかでもアーモンドを日常の食生活に取り入れる健康志向のユーザーは、近年増加傾向にある。

アーモンドにはビタミンEやオレイン酸、食物繊維、ミネラルが豊富に含まれることが知られている。なかでも抗酸化作用のあるビタミンE含有量は、あらゆる食品中トップクラス。オレイン酸には悪玉コレステロール(LDL-コレステロール)を減らす働きがあるほか、ビタミンEの抗酸化作用により、肌の若々しさを保つ効果も期待できる。

これをすりつぶして水を加えたアーモンドミルクは栄養成分がより吸収しやすく毎日手軽に摂取できることから、牛乳や豆乳に続く“第3のミルク”としてここ数年で市場に浸透した。

そのまま飲むだけでなく、シリアルにかけたりコーヒーやスムージーなどの飲料に入れたり、料理やデザートの素材としても使われ方が広がる。

また近年では大豆ミートをはじめとした、肉や乳製品の代替としての植物性食材に注目度が高まるなか、牛乳に代わる飲料・食材としてアーモンドミルクを取り入れる動きも活発化。ベジタリアンやヴィーガン向けの飲食店をはじめ業務ユーザーの間でも、多彩な活用が進む。

現在の市場の内訳をみると、江崎グリコ「アーモンド効果」が9割近いシェアを占めるガリバーだが、各ブランドとも特色を打ち出した商品展開で売場を盛り立てる。既に米国では豆乳やココナッツミルク、ライスミルクなども含む植物性ミルクのうち、アーモンドミルクは約6割を占める1千600億円規模の市場を形成する一大カテゴリーとなっている。

日本市場でもアーモンドミルクはじわじわと拡大中。13年の登場から年々2ケタの成長を続け、市場は50億円近くにまで育った。それでも、いまだ植物性ミルクの主流として拡大を続ける豆乳市場に比べれば8%程度にすぎない。拡大余地は大きく広がっている。

売場でもじわり存在感 無糖・大容量に需要シフトも

店頭での試飲販売(イトーヨーカドー大井町店)
店頭での試飲販売(イトーヨーカドー大井町店)

量販店の売場でも、アーモンドミルクの存在感は高まりつつある。

イトーヨーカドーは「アーモンドミルクの日」の5月30日に合わせ、今年も店頭強化策を実施。全161店舗のチルド飲料売場で「まだ試してないの?アーモンドミルクでヘルシー習慣」をテーマにマネキンによる試飲販売を行った。

メーカー各社とアーモンドミルク研究会の協力により、昨年よりも実施店舗の規模を拡大して展開したもの。店頭では生活情報誌「レタスクラブ」と連動した小冊子も配布された。

同社では、昨年もアーモンドミルクは前年比約1.5倍と順調に売れ行きを伸ばした。とはいえ現在のレギュラー売場はまだ飲料全体の5%に満たない規模。売上げでも豆乳の5分の1程度にとどまるが、牛乳や豆乳からのシフトは着実に進んでいるという。

「一度飲んでいただければリピートされるお客さまは多い。多少時間はかかるかもしれないが、豆乳との差は間違いなく縮んでくるだろう。たとえば甘酒がここ5年で数倍に伸びたように大きな可能性を秘めたカテゴリーと言える。それを最大限に引き出していきたい」(デイリー食品部マーチャンダイザー 長谷川広樹氏)。売場は今後さらに広げていく方針だ。

需要の広がりとともに、容量も飲み切りタイプから1ℓサイズのものにシフト。なかでも牛乳の代わりとして使える無糖タイプに人気が集まっているという。

店頭でサンプリングを実施していた女性は「健康志向の強まりから、砂糖不使用の商品への関心が非常に高まっているのを感じる。特に小さなお子さまがいらっしゃる家庭では気にされる方が多く、砂糖不使用のものを牛乳代わりにお薦めしている」と語っていた。