飲料 夏本番も天候不順の幕開け 逆風見込み需要創造に邁進

大消費地・東京をはじめ各所で6月から長雨や日照不足に見舞われ、飲料が他の夏物商材と同じく痛手を被っている。日本気象協会によると、東京都心の最高気温は7月5日から12日までの一週間25度を下回り、13日以降も広い範囲で前線や低気圧の影響を受ける見込みとなっている。飲料市場は6月単月で4%減、1-6月累計では1%減と推定。7月は関東甲信越地方で過去最速となる6月29日に梅雨明けした昨年の裏返しもあり、さらなる厳しい数字が予想される。

ただし猛暑となった昨夏の反動減は、各社とも期初の計画段階である程度織り込み済みだった。厳しい環境を前提に、需要創造すべくマーケティング活動を行うとともに、昨夏起きた予測不能な自然災害に備えて、製造・物流体制の見直し・強化に取り組んでいる。

こうした積極的な活動もあり、1-6月市場のトピックスには紅茶飲料の浮上や紅茶を含む茶系飲料の安定成長が挙げられる。

紅茶飲料市場は「午後の紅茶」(キリンビバレッジ)の独壇場で有力な対抗馬がなく長らく無風状態にあったが、昨年の「紅茶花伝 クラフティー」(コカ・コーラシステム)に続いて、今年、「クラフトボス TEA」(サントリー食品インターナショナル)が参入したことで活性化し1-6月で2ケタ増になったと推定される。

「午後の紅茶」では3月下旬に新発売された「ザ・マイスターズ ミルクティー」が6月時点で累計115万ケースを記録した。

同商品についてキリンビバレッジの平野真太郎マーケティング部ブランド担当部長は「甘さ・糖離れ志向の20代後半~30代の働く女性をメーンターゲットにしているが、10代にも飲んでもらえたことで想定以上に推移している。リピート率も飛び抜けてよく、既存品とのカニバリも少なく『ミルクティー』も伸ばしている」と手応えを語る。

同ブランドの「おいしい無糖」もオフィスサンプリングや、スーパー、量販店でのカレーとのクロスMDが奏功し好調に推移している。

無糖紅茶では「シンビーノ ジャワティストレート レッド」(大塚食品)も既存導入店で回転が上がり1―6月で前年を上回った。

「紅茶花伝 クラフティー」も上昇基調にあり、3つ目のアイテムとなる「贅沢しぼりアップルティー」が7月1日に新発売され露出を高めている。

「お~いお茶」の大陳
「お~いお茶」の大陳

紅茶を含む茶系飲料も安定的に拡大している。緑茶飲料は、伊藤園が発売30周年を迎えた「お~いお茶」に最注力しマーケティングが活発化。

今後の「お~いお茶」について伊藤園の安田哲也緑茶ブランドグループマネジャーは「年間を通して30周年施策を展開していく。秋以降は地域密着の観点から、現在行っているキャンペーンと同規模で47都道府県の食と関連した施策を行っていく」と説明する。

中でも本腰を入れて強化していくのが旗艦品の「お~いお茶 緑茶」。

「お~いお茶 濃い茶」は“体脂肪を減らす”の機能表示を取得して、現行の中味のまま機能性表示食品として8月にコンビニ先行でリニューアル発売し、9月にはスーパー、量販店など全業態に開放する。

緑茶飲料のサブカテゴリーで伸び盛りのほうじ茶飲料市場に向けては“ほうじ茶フェア”をスーパー、量販店で展開する。対象商品は「お~いお茶 ほうじ茶」、「TEAs’TEA NEW AUTHENTIC ほうじ茶ラテ」、リーフ製品。「高温短時間抽出した一番茶による“しあわせの香り”をマーケティングメッセージに掲げて売場で大きく訴求していく」考えだ。

「抹茶入り お~いお茶」を含む抹茶商品は「口切りの時期である11月頃から翌春にかけて盛り上げていく。お点前の世界で11、12月はお正月であり、2月6日は抹茶の日となる。『四方の春』ブランドは令和最初の抹茶という切り口でアピールしていく」。