チーズ 「健康」「簡便」「インスタ映え」がキーワード

18年度のチーズ市場は、乳価、原材料価格、各種コスト増などを背景とする価格改定の影響が懸念されたが、健康機能が広く注目されたナチュラルチーズ(以下、NC)が市場の牽引役となっている。

牽引役となったのが、認知症の予防効果が注目されたカマンベールや血管年齢の若返り効果が報じられたブルーなどの高価格帯商品群。健康機能に着目したメディア報道を受けたエントリーユーザーが定着した。一過性のブームに陥ることなく、ナチュラルチーズの間口、奥行きの拡大に寄与している。

一方、新たな食べ方提案で新規需要を開拓しているのが「さけるチーズ」(雪印メグミルク)。昨年の「チーズドッグ」に続き、女子高生を中心にSNSで「じゃがアリゴ」が話題となっている。

「じゃがアリゴ」は、フランスの郷土料理「アリゴ」を「じゃがりこ」と「さけるチーズ」で再現したもの。「アリゴ」はマッシュポテトとチーズを練り上げて作るが、「じゃがりこ」と「さけるチーズ」を素材に、電子レンジで加熱調理することで、簡単に作れることがSNS上で話題となったもの。

電子レンジでの加熱という最低限の“調理”工程は入るものの、「簡便」「インスタ映え」が現代ニーズに合致した形だ。

チーズ市場ではこれまで、トマトとモッツァレラチーズをスライスしたカプレーゼが若年女性層を中心に支持を集め定番メニューとして定着したが、今回の「じゃがアリゴ」は昨年の「チーズドッグ」「チーズハットク」に続き、10代女性層というネクストユーザーを開拓する一助となっている。

チーズ市場には現在、旺盛な需要という追い風が吹いている。中長期的にも成長市場と目されてはいるが、“老後2千万円問題”を機に、一部では「カマンベールチーズの売上げに影響が出ている」(業界関係者)という話も聞かれる。10月の消費増税を含め、生活防衛意識の高まりが今後の需要にどう影響するかは未知数。その意味では、「健康」「簡便」「インスタ映え」等々のキーワードを踏まえた需要喚起施策が、これまで以上に求められそうだ。