味の素AGF、レギュラーコーヒーで「森彦」と協業 付加価値提案を加速

味の素AGF社は秋冬商戦に向けて、レギュラーコーヒー(RC)と約6割のシェアを握るスティックカテゴリーを中心に付加価値戦略を加速させる。

4日本社で発表した品田英明社長は「休息(Rest)・やすらぎ(Relaxation)・気分一新(Refreshment)の3Rと健康的な生活に貢献する多様なライフスタイルに向けたさまざまな飲用シーンや食とのマッチング提案を強化しており、今回発表する新商品もこの方針に沿ったもの」と説明した。

RCの新商品開発にあたっては、生活者のコーヒーに対する多様化・多極化・本物志向をとらえ、日本各地の喫茶店文化や独自のこだわりを持つローカルロースターに着目した。

レギュラーコーヒーの新ブランド「森彦の時間」(味の素AGF)
レギュラーコーヒーの新ブランド「森彦の時間」(味の素AGF)

その上で、AGF調べでRCの飲用杯数が最も多い北海道で喫茶店「森彦」など13店舗を営むアトリエ・モリヒコに目を付け、協業を打診して新ブランド「森彦の時間」の立ち上げに漕ぎ付けた。これを監修するアトリエ・モリヒコの市川草介代表取締役は「AGFさんに森彦を“一本釣り”していただき、その熱意に打たれた」と語った。

一方、品田社長は「森彦」の選定理由について「森彦さんはブレンドにこだわりを持ち、コーヒーを飲む空間や時間を大事にしている。これは企業スローガンに掲げる3Rにものすごくマッチする」と述べた。

「森彦の時間」のラインアップは、深煎りの「森彦ブレンド」、中煎りの「マイルドブレンド」、浅煎りの「アフリカン・ムーンブレンド」の3種類。市場想定売価は180g粉タイプが700円、ドリップコーヒー(一杯抽出タイプ)5袋が500円と高めの価格帯を狙う。

「世界観をブランドでつくり上げていくことがものすごく重要。そのためにパッケージにもこだわって監修してもらった。1、2年の間に売場で棚一段すべてとることを目指していく。現在、地道に一緒に育ててくださる流通さまと丁寧に商談を進めているところ」(品田社長)という。

加えて「森彦さんとのタイアップを生活者により実感してもらえるイベントやコミュニケーションも考えている」(古賀大三郎リテールビジネス部長)。

スティック「あっと驚かせる」

スティックの新商品
スティックの新商品

主力のスティックカテゴリーでは、20~30袋入り大容量タイプの価格競争が激化する市場環境の中で、10本以下の小容量タイプで細分化ニーズに対応する新商品を多数投入。スティックで初となるフリーズドライコーヒーパウダーを使用した新サブブランド「ブレンディ ロースターズ&」も発売する。

「20年近くかけて付加価値カテゴリーとして流通さまと育ててきたスティック市場をレッドオーシャンにしたくない。いろいろな人の嗜好に合ったものを出し切れていないことが深掘りするほど分かってきた。今回、その1弾として発売し、来年以降もスティックカテゴリーを“あっと”驚かせるような社会に貢献できる商品を出し、この市場をもっといい方向に持っていきたい」(品田社長)と意欲をのぞかせた。

歳暮ギフトの新商品
歳暮ギフトの新商品

縮小する歳暮ギフト市場に対しても「クノール」ブランドのプレミアムスープギフトやオリーブオイルと岩手県産のヘルシーサバ缶のオリジナル詰め合わせギフトなどを多数発売し、「違った提案で市場を活性化させたい」という。

7月には組織体制を変更。コーポレート本部と事業本部を束ねていた本部制を廃止し社長直轄にすることで、「変化の激しい時代にスピーディーに対応する」。営業体制では、新たに設立された業務用支社が全国の約7割を占める東京と大阪の業務用市場を専任で担当する。