「伊右衛門」サービスブランド化 外食スキーム変更し顧客接点強固に

サントリー食品インターナショナルと福寿園は今年、「WIRED CAFE」などを手掛けるカフェ・カンパニーに「伊右衛門」ブランドの飲食展開に関するライセンスを付与。7月3日にオープンした外食店「伊右衛門サロン渋谷ヒカリエ店」を皮切りに、カフェ・カンパニーに「伊右衛門サロン」を多店舗展開してもらうことで、ブランド強化やお茶文化の普及を図っていく。

多店舗化に当たっては、身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味するWELL―BEING(ウェルビーイング)のミッションに基づいたサービス内容を重視し、5年間で国内外100店舗の展開を目指していく。

「伊右衛門サロン渋谷ヒカリエ店」
「伊右衛門サロン渋谷ヒカリエ店」

オープンに先立ち2日、渋谷ヒカリエ店で発表した沖中直人常務執行役員は「商品とサービスを結びつけることでお客さまとの関係性をより強固なものにしていく。ブランドの体験の質もペットボトルのお茶とでは全く異なる。さらにウェルビーイングのサービスが加われば“『伊右衛門』があってよかった”と思ってもらえる人を増やすきっかけになる」と期待を寄せる。

福寿園の福井正興社長も「健康も大事だが、文化、伝統も大事で、次世代に残していくことを考えると最終的には急須で飲むお茶や茶筅でたてる抹茶にたどりついてもらいたい。そういう視点でわれわれは『伊右衛門サロン』に期待し、リーフと技術を提供していきたい」と語る。

「伊右衛門サロン」は3タイプの展開を予定。フラッグシップモデルは、08年から昨年末まで展開してきた「伊右衛門サロン京都」を移転・刷新し、3月に京都・東山にオープンした「伊右衛門サロンアトリエ」となる。

(左から)九州大学の二宮利治教授、サントリー食品インターナショナルの沖中直人常務、カフェ・カンパニーの楠本修二郎社長、福寿園の福井正興社長
(左から)九州大学の二宮利治教授、サントリー食品インターナショナルの沖中直人常務、カフェ・カンパニーの楠本修二郎社長、福寿園の福井正興社長

スタンダードはフルサービス型の「伊右衛門サロン」で、スタンド・セルフサービス型の「伊右衛門サロンティールーム」(仮称)も予定している。

カフェ・カンパニーの楠本修二郎社長は「『伊右衛門』が健康、ウェルビーイングのブランドになっていくというミッションをいただいているので、オフィスの中にも入っていきたい」と意欲をのぞかせる。

健康面では、九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野の二宮利治教授がテアニンを含む緑茶の摂取が将来の2型糖尿病発症リスクを低減することを説明。認知症の危険因子の一つに糖尿病を挙げ、その予防として大豆・大豆製品、野菜、海藻類を中心とした食生活も推奨し、「確実なエビデンスはないが、可能性として、おいしく、楽しく、会話しながらお茶を飲むことは認知症予防にかなり重要で、生き甲斐にもつながると私は信じている」と述べる。