エム・シー・フーズ 付加価値商品の開発で脚光 顧客の声に耳傾け最適提案

エム・シー・フーズは、2018年度業績が増収増益、従来の“販売会社”から“商社”への移行がスムーズに進み、小売業に近い三菱食品の下、新たな成長戦略として生活者の顔の見える家庭用(BtoC)に注力し、付加価値タイプの飲料・スイーツの開発企業として、メーカー・小売業の間で存在感を高めている。

三菱商事グループのグローバルな供給力を生かした素材提供(プロダクトアウト)に、生活者のニーズをとらえたマーケットインを融合できるワンストッププロバイダーの機能を持ち合わせ、原料から最終製品までのソリューション提案を行えるのが同社の強み。ただし、多方面から近年引き合いが強まっている要因は、自社で輸入調達した原料にしばられないレシピ提案にあるという。

取材に応じた手代木和人社長は「まずお客様の声に徹底的に耳を傾けるということ。自社の原料を売り込むところから始めるのが一般的だが、BtoCにおいては、その原料起点の商社的な発想からいったん離れ、メーカー様や小売業様のご要望に徹底的に寄り添うことから始めている」と語る。

同社には、果汁・製菓・酪農・茶類の各分野に加え、飲料製品製造のスペシャリストやパティシエといった一流の開発者を抱え、小売業向けスイーツや飲料、専門店ブランドの商品など多くの付加価値商品を生み出している。

製造は、工場を持たない(ファブレス)ため、外部企業と提携して行っているが、レシピ提案・最終製品提案で対価を得るビジネスを展開して相手の懐に入り、相手方商品の開発を請け負うことで、自社の原料を折に触れて売り込んでいく考えだ。

「開発に携わると原材料が把握でき『同じ品質で、もう少しコストが抑えられるものがある』『この価格なら、もっと質の良い原料が使える』といった提案ができるようになり、その結果として、商社らしい原料調達力が生かせるようになる」という。

一人の営業担当が、当社の標榜とする“飲料・嗜好品のワンストッププロバイダー”として、幅広いカテゴリーを横断して提案できるのも強みで「あるカテゴリーの提案が、他のカテゴリーでの収益に結びつく可能性があり、新しいチャンスが生まれる可能性がある」と述べる。

国内製造商品は、これまで取引先のブランド名で販売されているため、商品にエム・シー・フーズの名前が出ることはあまりなかったが、4月から発売しているファンケルの「FANCL青汁スムージー」シリーズには販売者として同社名が記載。「多くの人に知られているブランドの商品を当社の名前を入れて作れたのは画期的なことで、飲料開発事業部発展の新たな第一歩」と位置付けている。

三菱食品は昨年、ファンケルと冷凍の青汁販売契約を締結。その一環で子会社である当社でも原料使用が可能となった。「FANCL青汁スムージー」は、国内にあるファンケルの自社農園から原料を調達し、青汁を嫌いな人でも飲みやすい商品に仕立てられている。

現在、「パイン」「マンゴー」「バナナ」の3品をラインアップし一部の大手量販店を中心に販売されている。どれも180gカップで常温流通でき、賞味期間は120日間となっている。

今後については「大型商材ではなく、ニッチな商品の開発に注力している。従来、工業用・業務用原料を販売させていただいているお取引様の商品と競合することはまずないと考えており、むしろ、ファブレスメーカーとして、ユーザー目線での原料提案が可能になると期待している。引き続き、健康、安全・安心を意識した付加価値型商品を提案し、生活者の幸福に貢献していきたい」と意欲をのぞかせる。

なお輸入品でエム・シー・フーズの名前が出ているものには、スリランカ産100%の「マブロック紅茶」、スペイン大手飲料メーカーの100%ジュース「Via Nature」、デンマークArla社カマンベールチーズ、イタリアBoni社パルミジャーノ・レジャーノチーズなどがある。