ドレッシングの“調味料使い” 永遠のテーマから喫緊の課題に

キユーピーは、ゴールデンウイーク明けからドレッシングの調味料使いを積極的に提案している。砂糖大さじ1、塩小さじ1など基礎調味料を使う手間が不要で、ドレッシング一つで味付け、香り付けができるため、調理にかける時間を少しでも短くしたいというニーズを狙う。

天候要因に左右されやすい食品カテゴリーといえば、飲料やアイスがまず頭に浮かぶが、最近の不安定かつ大型災害を引き起こしやすくなった気候変動から、ドレッシングも無縁ではなくなってきた。

ドレッシングの使い道は9割以上がサラダ、そのサラダもレタスが中心で、そこにプチトマトやキュウリなどが加わる。18年は年初から低温・寒波の影響による生育不足、7月の猛暑や9月の大型台風襲来があり、野菜相場が安定したのは11月に入ってからだった。

この間、過去最高ともいわれたレタスの相場高騰の影響もあり、これまで2~3%増で順調に推移してきた家庭用ドレッシング市場は、昨年一気に3%減となった。

従来なら、たまたま大型台風が来たからで済んだことかもしれないが、最近の気候変動は楽観を許さない。大きく伸びる要素が少ない基礎調味料のマーケティングは、使用機会の拡大と1回の使用量を増やすことにつきる。ドレッシングにおいても使用機会の拡大は永遠のテーマだったが、気候変動により喫緊の課題となった。

もともとドレッシングは、油をベースに砂糖、塩、酢のほかさまざまな素材を使い完成された味を持っているため、特に炒めものには打ってつけという。また、10%近くの消費者は以前から調味料使いを行っていたと思われる。

キユーピーは「テイスティドレッシング黒酢たまねぎ」を推奨し、豚肉をドレッシングに漬け込み油をひかずに炒め、調理の最後にドレッシングを加えてさっと炒める調理法などをクックパッドやホームページで紹介している。また、ゴールデンウイーク明けからは、同社が抱えているフィールドレディを総動員し、連日夕方の4~6時に全国のスーパーで調理の実演を行っている(7月まで)。

このため5~6月のテイスティの前年同期比は15%増で推移。厳しかった18年の翌年ということもあるが、ドレッシングを使った調理法の支持が広がり始めたことは間違いない。

このほか、製法にこだわった果実酢使用が訴求ポイントの「緑キャップ」シリーズを使い、ドレッシングで漬け込んだマリネなども提唱している。調理の時短を求める生活者と、気候変動に備えたいメーカーの思惑が一致し、ドレッシングの調味料使いは案外早く定着するかもしれない。