エア・ウォーター 農業・食品関連事業を強化 21年1700億円目標

エア・ウォーター(AW)は農業・食品関連事業の戦略と展望を13日、グループ会社プレシアで公表した。AW業績は産業ガス1千764億円、ケミカル757億円、医療1千767億円、エネルギー527億円、農業・食品1千366億円、物流479億円、その他1千356億円の2018年度売上高合計8千15億円。経常利益はケミカル37億円、産業ガス171億円、エネルギー40億円、農業食品49億円、医療99億円、物流26億円、その他(海水・ゾルなど)84億円となり、産業ガスの利益が大きい。

中期経営計画では10年度から20年度に売上高1兆円達成に向けた取り組みをスタート。21年度1兆円達成をビジョンの総仕上げと位置付ける。

ブランドステートメントは“地球の恵みを、社会の望みに。”。農業・食品カンパニーでは、自然から生まれる素材を生活に不可欠な食材として安定供給することをテーマに、農業・加工品事業は春雪さぶーる、プレシア、トミイチ、ヨネザワ製菓、AW十勝食品、相模ハム、高谷商店、大山ハム、元気、見方、エコフロス、AWファーム千歳、エア・ウォーター農園をグループ企業に抱える。

プレシア本社工場
プレシア本社工場

飲料事業はゴールドパック、AW・ウォーター、独立系事業は九州屋、キュー・アンド・シー、日農機製工・日農機がある。

海外原料調達の経験のある農業・食品カンパニー長・町田正人氏は「中食市場を成長領域ととらえ、グループの原料調達機能・加工工場・販売網を活用し、野菜を武器に攻略していきたい」と話す。同カンパニーで21年度に売上高1千700億円、営業利益60億円を目指す。同カンパニーでは、昨年12月に業務用の調理冷凍食品メーカー・見方、今年2月に黒にんにく製造の元気、3月にブロッコリー等冷凍野菜メーカーで春雪さぶーると20年来の取引があるエクアドル・エコフロス社の株式を取得し、5月に外食・中食向け野菜の卸売りとカット野菜製造販売のデリカフーズホールディングスと業務提携するなど立て続けに動きを早めている。

(左から)町田正人氏(農業・食品カンパニー)、滝口勝寿氏(プレシア)、鹿嶋健夫氏(春雪さぶーる)
(左から)町田正人氏(農業・食品カンパニー)、滝口勝寿氏(プレシア)、鹿嶋健夫氏(春雪さぶーる)

プレシアは1994年10月に焼き菓子で創業し、チルド洋菓子、和菓子など事業を拡大、春雪さぶーるとのOEM契約を契機に16年10月にAWグループ入りした。現在、ヨネザワ製菓、春雪さぶーる含め国内6か所での製造体制を構築し、3温度帯のスイーツ製品をスーパー、コンビニ、専門店・ホテルなどへ展開する。プレシア滝口勝寿社長は強みとして「豊富なラインアップと物流施設一体型の新工場、多様な顧客とのつながり」を挙げる。本社工場は、カフェ・ショップ・保育園、冷凍冷蔵倉庫、スイーツ製造ライン(生産能力9千200t/年)の複合施設であり、厚木と湘南にあった工場を1工場へ24億円(物流除く)を投じて昨年10月に集約化。高度な衛生管理・温度管理技術により、従来の消費期限であるD+3やD+5をD+8に延長しフードロス問題に対応した。最新設備導入により、ロール製造ラインの23人を10人に省人化している。従業員向け自社保育園では29人の受け入れ能力を持ち、女性の就業支援に結びついている。

新ブランド「eMitas」(笑み+満たす)をスタート。パティシエの製法を工場でも可能にし、添加物を入れず原料を厳選、素材の味を最大限生かす取り組みを始めた。春雪さぶーるでの取り組みについて、農産加工品事業担当鹿嶋健夫氏(春雪さぶーる会長)は「売上げ170億円のうちスイーツは7億7千万円程度と5%いかないぐらい」と構成比を説明する。同カンパニーとして今後は農産800億円、飲料550億円、その他330億円、合計1千700億円を目指すことにしている。