「年月日」→「年月」 食品廃棄ロス削減へ 変わる賞味期限表示

加工食品業界で賞味期限を「年月」表示化する動きが拡大している。今月には日本水産、ハウス食品グループ本社が表示を変更する方針を相次ぎ発表。従来の「年月日」から「年月」表示に切り替えることで日付逆転の発生減少を図るなど、流通・販売段階での廃棄ロス削減を目指す狙いだ。

日本水産は、自社ブランドの缶詰製品について賞味期限を「年月」表示に切り替える。フードロスへの問題意識が高まるなか、従来の「年月日」表示から「年月」表示に切り替えることで、流通・販売段階における廃棄ロス削減に貢献する。

対象はニッスイブランドの缶詰全品で、7月1日生産分から順次切り替える。季節性のある原材料を使用し、年間の生産回数が少ない製品も対応を進める。当面は缶詰のみで、レトルトパウチ品は検討中という。

同社では社内CSR委員会にフードロス部会を設置し、社会課題となっている食品ロス削減に向けた取り組みを進めてきた。製造年月日表示の切り替えは、流通過程での廃棄抑制に向けて18年度から検討してきた。

ハウス食品グループ本社は来年4月から順次、ハウス食品とハウスウェルネスフーズで賞味期限の「年月」表示化を実施。サプライチェーン全体での食品ロスの削減や物流・オペレーションの効率化などの社会問題の解決への貢献を目指す。ハウス食品は賞味期間1年以上の家庭用製品、ハウスウェルネスフーズは家庭用全製品を対象に、「年月日」表示から「年月」表示への切り替えを開始。賞味期限の延長についても検討していくとしている。

同グループは経済産業省の「製・配・販連携協議会」、農林水産省の「食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム」、製・配・販有志の「日本TCGF」などに参加。製品の返品・廃棄の削減やリサイクルの促進、フードバンクの活用、製品面での環境対応の促進を通じ、食品ロス削減に取り組んできた。引き続き官公庁や製配販のサプライチェーン全体とも連携を図り、食品ロス削減、環境負荷低減、持続可能な社会の実現への取り組みに貢献していく考えだ。

賞味期限の「年月」表示は、比較的賞味期限の長い清涼飲料、流通菓子などで先行している。18年10月時点で全商品に占める「年月」表示の割合(平成30年度食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム加工食品検討会とりまとめ)は、清涼飲料54.6%、流通菓子32.6%。賞味期限の「年月」表示は、賞味期限が3か月を超えるものが対象となるが、現実には1年を超えるカテゴリーが中心。

保存性の高い食品でも賞味期間が6か月程度のカテゴリーでは、「たとえば6月1日と6月30日に製造した製品の賞味期限を、同じ年月の表示にするのは問題があるのでは」(メーカー)と、現状での「年月」表示導入には慎重な姿勢をみせる。一部メーカーでは日付逆転の発生抑制へ上・中・下旬での「年月日」表示を導入するなど、カテゴリーの実情に合わせた取り組みも進んでいる。