クラフトビールに初の定額サービス スプリングバレーブルワリー

キリンビール傘下のスプリングバレーブルワリー(SVB)は、クラフトブルワリー初のサブスクリプションサービスを、東京・銀座に展開する直営店「BEER TO GO」で17日から運用を開始した。

サブスクリプション(サブスク)とは、定額料金でサービスの提供を受けられる支払い方式を指すことが多く、音楽配信サービスの定額利用料が代表例だ。サブスクサービスの国内市場は約5千627億円(消費者支払いベース)。23年には約8千623億円に達すると予想される(矢野経済研究所)。

今回は、飲食店経営のデジタル化といった事業を展開するfavy社が13日にリリースした「飲食店のためのサブスクツール」を利用。月額2千496円の利用料金を払うことで、平日限定1日1杯のクラフトビール(レギュラーサイズ250㎖、500円)の提供を受けられる。

favy社は3年前から東京都内で、月額3千円でコーヒーを何杯でも飲めるコーヒースタンドを運営しており、1人当たり月平均22回来店と高い実績だ。

固定的な収入であるため売上げが事前に読める領域が増え、「さまざまなことに挑戦しやすくなる」(高梨巧favy社長)と意義を強調する。

飲食店がサブスクを導入すると、その分の飲食代金は減るが、固定のサブスク売上げが追加される上、高い来店頻度を利用したアップセル・クロスセルでさらに売上拡大のチャンスがあるという。

また飲食の組み合わせデータを継続的に蓄積することで飲み物と食べ物の相性を分析することも可能となり、「店全体を改善する一助になる」(高梨社長)。

「BEER TO GO」では今回のサービス導入で、利用者は月平均5回来店するとみて料金を設定。またデータの収集でクラフトビールと合う料理を研究する意味もあるといい、さらにキリンビールが提供するクラフトビールの業務用ディスペンサー「タップマルシェ」の提案材料や、既存店へのプロモーションの一助にしたい考えだ。

会員申し込みはWeb上で行える。1千人を目標とし、サービスを通じてクラフトビールを体験してもらうことで、クラフト浸透度合いが深まると期待する。SVBの島村宏子社長は「定量的なデータをもとに取り組むことがドライブになる」と語る。「BEER TO GO」での展開は20年秋頃まで。