即席麺、需要は4期連続で過去最高 周年施策など奏功 新年度も好スタート

2018年度(18年4月~19年3月)の即席麺総需要(生タイプ含む)は、数量前年比0.6%増(57億2千349万8千食)、金額(出荷額)1.1%増(5千933億5千3百万円)となり、4年連続で過去最高を更新した。各社主力ブランドの周年が相次ぎ、積極的な販促やプロモーションが展開されたことに加え、自然災害の多発による保存食ニーズの高まり、さらには昨年10月から今年3月まで放映されたNHK朝の連続テレビ小説なども需要喚起に一役買った。

種別内訳は、カップ麺が数量0.5%増(39億6千129万1千食)、金額1.2%増(4千633億9千6百万円)、袋麺数量0.8%増(17億6千220万7千食)、金額0.9%増(1千399億5千6百万円)。カップ麺に加え、袋麺が前年実績を上回ったことが寄与した。

18年度は、日清食品「チキンラーメン」(60周年)、サンヨー食品「サッポロ一番 みそラーメン」(50周年)、東洋水産「赤いきつねうどん」(40周年)、エースコック「スーパーカップ」(30周年)など各社主力ロングセラーブランドが周年ラッシュ。これら周年ブランドを中心に、空中戦、地上戦、サイバー戦が活発化したことで年間を通じて需要を喚起し続けたことも大きかったようだ。

この中で、18年過去最高更新のカギとなったのが「チキンラーメン」「サッポロ一番 みそラーメン」という袋麺の2大ブランド。「チキンラーメン」ブランドは、主力の「チキンラーメン」に加え、若年層をターゲットにした「具付き3食パック アクマのキムラー」、シニア向け「お椀で食べるチキンラーメン3食パック」が新規需要を開拓。同ブランドのみならず、袋麺全体の間口、奥行の拡大にも寄与した。

一方、「サッポロ一番」は、食べ方提案による夏場の需要喚起に加え、「みそラーメン」発売50周年記念施策として展開したレギュラー品とバリエーション品による個食販売が売上げ増につながった。個食販売は、トライアルユーザーの獲得や休眠ユーザーの掘り起こしを狙ったものだったが、「個食販売で購入されている方の約1/3は、ふだん袋麺を購入されていない。個食販売にすることで参入障壁(5食パック)が低くなり、新規・休眠ユーザーが参入し、『サッポロ一番 みそラーメン』の売上高が伸びた」(同社)と評価、今期も同様の取り組みを進める考え。

安定成長が続くカップ麺は、日清食品の「カップヌードル」「日清のどん兵衛」が過去最高売上高を更新したほか、東洋水産の「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」をはじめとする和風カップ麺、サンヨー食品の「カップスター」「サッポロ一番 どんぶり」、明星食品の「一平ちゃん夜店の焼そば」、エースコック(12月期決算)の「スーパーカップ1.5倍」といった各社主力品が好調に推移した。

今期は、価格改定(6月1日)、消費増税(10月1日)など不確定要素が多く、先行き不透明。各種コストの高騰を受け利益は厳しくなりそうだが、「価格改定に備え、貯金を作る」(メーカー)と意気込んでスタートした第1四半期。「まんぷく」効果が継続したことに加え、活発な仕掛けもあり、メーカー各社は好スタートを切っている。価格改定も6月から新価格での販促が入るケースが出るなどまずは順調。消費増税が実施される下期の動向は不透明だが、地上戦、空中戦、サイバー戦により需要を喚起し続けることで、5期連続過去最高に挑戦する。