「サトウのごはん聖籠ファクトリー」竣工 年間3億食供給へ

佐藤食品工業は同社米飯事業第3の生産拠点となる「サトウのごはん聖籠ファクトリー」(新潟県聖籠町)を竣工した。2017年に計画・設計、18年8月着工、今年4月30日に完成し、6月から生産を開始した。投資金額約50億円。敷地面積約2万8千坪(工場建築面積約3千500坪)と規模が大きく、同工場稼働により、1年間の供給食数は現在の2億3千500万食から一気に3億食まで拡大する。包装米飯売上げは19年4月期で210億円と事業開始以来、初めて200億円の大台を突破したが、今年度は216億円とさらなる高見を目指す。

佐藤食品工業は包装餅で培った無菌化技術を応用し、包装米飯事業を展開、ここ数年は8期連続で過去最高売上高を更新してきた。佐藤元社長は6月10日の会見で「包装米飯は事業開始以来、初の200億円超を達成した。当社独自の製造技術により電子レンジ2分で家庭と同様の炊き立てご飯を再現できる利便性に加え、製品名に原料米の産地銘柄を表示していることがお客さまの安全・安心意識にマッチした」と好調要因を分析する。

前年度連結は会社売上高409億円(5.7%増)、うち包装米飯210億1千9百万円(7.8%増)、包装餅198億5千万円(3.7%増)となり、米飯と餅の差が開いてきた。連結の営業利益は11億7千9百万円(38.7%増)、経常利益13億4千7百万円(39.5%増)、当期純利益8億9千2百万円(37.0%増)と増収増益となっている。

こうした中で立ち上げた新工場・聖籠ファクトリーは高いフードセーフティ・フードディフェンスによる安全性確保やロボット化・Iot技術を導入した生産ラインの自動化・無人化、エネルギー効率化による環境負荷軽減を実現した。同社製品の原材料は水とコメだけであるため厳選の国産米を使用し、水も徹底的にこだわる。独自開発の洗米機に加えて、全長60mに及ぶ連続炊飯機、安全・安心のための異物センシングシステム導入や、容器穴を全品管理するためのリークテスター設置、官能検査・DNA分析・クリーンベンチなど安全管理を徹底している。

加えて、新たに産業観光の一助となる取り組みとして、一般見学者を受け入れるフロア・通路を設置し、見て学べるファクトリーツアーを強化する。ツアーでは「サトウのごはん」の特徴である厚釜ガス直火炊きを紹介する内容になっている。

佐藤元社長(佐藤食品工業)
佐藤元社長(佐藤食品工業)

佐藤元社長の話

米飯事業は32年目を迎えた。昭和の生産開始から平成が終わって、ようやくよちよち歩きから自立歩行ができるようになった。2年前に米飯が餅を上回り、前年度は米飯が餅の連結売上高を上回っている。今後どういう形で米飯が伸びるか分からないが、消費者の方々にもっと身近に考えてもらいたい。

そこで今回の新工場では、より緻密にこだわり完成した。建設・設備コストはかかったが、長い目で見て回収できると考えている。多くの方々にサトウのごはんが安全で安心できることを実感してもらいたい。当社は規模の勝負をやるつもりはない。100万食か200万食かということより、食卓の真ん中にあるご飯は何としてもおいしくなければならない。家族が笑顔で食卓を囲んでもらえるよう、コメ・水、釜炊きにこだわり、自宅で炊いたご飯に匹敵するものを作っていきたい。