カゴメ、神奈川県と「未病改善」で提携 自治体連携のビジネスモデルに

食品や飲料メーカーが全国の自治体と提携し、自社の知見を生かし健康支援やスポーツ振興、環境保全、農業支援、災害支援、復興活動などさまざまな取り組みを行っているが、「ビジネス化が目的」と指摘するカゴメの展開が注目されている。

同社は「健康寿命の延伸」という社会課題の解決をめぐって、全国の自治体や法人と協定を結び、健康づくりや地元の農産物を使用した商品展開およびレシピの共同開発、食育やトマトの栽培指導など地域の農業振興に取り組んでいる。取り組みは健康分野を中心に農業支援、災害支援が主なもので、協定締結先は15県(25件)に及ぶ。

昨年から神奈川県と包括協定を締結し、今年は「未病改善に向けた野菜摂取促進」をテーマに新たな取り組みを発表した。昨年は、保育園での食育プログラムや神奈川学校給食夢コンテストなどを通じて野菜摂取促進を図ってきたが、今年は神奈川県特有の課題解決をめぐり、「野菜好きの子どもを増やす取組」および「20~30代の野菜摂取の機会づくり」を挙げ、野菜好きの子供を増やすため、神奈川県柏尾小学校2年生120人に、野菜嫌いの克服を目指す「べジトレ」を実施し、食育活動で給食残食率低下を目指す。

また、7月にはカゴメが開催する食育ミュージカルカゴメ劇場に未病改善ヒーローキャラクター「ミビョーマン」を招き食育を啓発する。さらに20~30代の野菜摂取に向けて、かながわブランド三浦半島産こだわりかぼちゃを使った惣菜メニューを京急ストアで販売し、レシピに地元食材を使うことで県民の関心を高める。

今年の取り組みの共同発表会の中で黒岩祐治県知事は「県民の野菜摂取増大に向けてカゴメさんからさまざまな提案をいただき、これを協働で進めていく。両者の取り組みにより、県民が健康長寿になることを大いに期待している」と述べ、寺田直行カゴメ社長は「健康寿命の延伸は当社の最大のテーマで、野菜不足をゼロにするという目的に賛同してもらった自治体や企業と連携している。病気になってからでは遅く、未病改善には生活習慣こそが大切だ。神奈川県はその大切さに着目しており、県を挙げて未病をテーマにした活動を展開する」と述べ、さらに「子供のうちから食育により野菜に親しむことが大事で、今後、老々介護という深刻な事態も迫っている。医療費を減らすのは大事だが、未病こそが必要。だが、この取り組みは一つの自治体では難しく、さまざまな企業が総がかりで連携する必要がある」と指摘した。

また、若月洋一神奈川支店長は「自治体との取り組みはメーカーにもメリットがなければ続かない。その意味でも神奈川県とは骨太な関係になっており、各県のビジネスモデルにつなげたい。進捗状況をみながら、取り組みが薄いものは見直しながら改善していくことも重要だ。記者会見がゴールになるような取り組みはあってはならない」など語った。