急がば回れ

会社にかかってくる電話に不慣れな人がいるという。特にデジタルネイティブと呼ばれる新入社員はこのような傾向がみられるという話を、最近とある経営者から聞いた。

▼家庭に固定電話がなくスマホでダイレクトなやりとりに慣れてしまっている若者にとって、どこの誰からか分からない電話をとることは精神的苦痛であるという。もちろん、その人の資質次第で受けとめ方はさまざまだが、パワハラに厳しい目を向けられるこのご時世、苦痛を感じている者に電話番の強要はできないのだという。

▼若者がダメになったのか、あるいは固定電話が時代遅れなのか、いずれにしても社会が変容していることに間違いないが、物事が膠着してしまったり、コミュニケーションが途切れてしまった場合には、文書よりも電話、電話よりも対話といった具合により原始的な手法が有効だと考える。

▼効率化とは逆行するが、急がば回れの発想である。デジタル化が進む中で、メーカーが店頭や路上に立ち消費者と直接接する活動がなくならないのも、このような考えがどこかにあるからだろう。