日新製糖 非砂糖事業が中期貢献 「きび砂糖」増産開始

日新製糖は3日、前3月期の決算会見を東京証券会館で開催した。4月から社長に就任した森田裕社長のデビュー会見となり、今中計の進捗状況や新中計に対する市場認識や戦略を述べた。

まず大場財務部長が前期業績を説明。既報の通り前期の砂糖その他食品事業の売上高は0.7%減で、ツキオカフィルム製薬が通期で寄与したが砂糖販売の数量減少で減収となった。健康産業事業は2.3%増、倉庫事業は輸入合板の取扱量が回復したことで16.1%増だった。全体としては微減収増益となった。

続いて森田社長から中計の進捗と今期の事業計画が発表された。

今期は中計5年の最終年度であり、ROE5%を目指している。この5年間を比較すると非砂糖事業(健康産業、倉庫、新規事業)の売上構成比は9.7%上昇し、営業利益では7.8%押し上げている。今後も非砂糖事業拡大を目指す方針だ。

また、精製糖の重点政策では一昨年来、設備増強に取り組んできた「きび砂糖」の今福工場での生産を下期から開始する予定であり、総合甘味政策ではガラクトオリゴ糖(商品名カップオリゴ)の拡販に努め、事業領域の拡大についてはツキオカフィルム製薬を昨年12月に完全子会社化。食用純金箔事業、フィルム事業の拡大を目指す。

健康産業事業ではフィットネス市場4千600億円で会員総数は約460万人で全人口の3.65%にとどまっており拡大余地があると分析。コンパクトジムやアンチエイジングなど目的特化したジムはさらに伸びる余地があるとしてМ&A(エヌエーシーシステム買収)を実施している。小型店の出店を加速していく。これら各施策で今期最終年度でのROE5%達成にめどがついている。

〈質疑応答〉

――「きび砂糖」、フロストシュガーなど付加価値品の目標や進捗について。

森田 「きび砂糖」は今福工場での生産開始後、5~6年で10~20%増やしていきたい。フロストシュガーは菓子パンなどに利用されており、年替わりで採用が続いている。地道に紹介を続けて砂糖の収益性を高めていく。

――海外展開は現状のタイから拡大はあるか。

森田 カセタイ社と戦略的パートナーシップを維持し、技術指導の実績を他の案件で活用できるようであれば検討していく。

――次期中計を策定する上で市場認識について。

森田 砂糖の制度変更があったものの競合品(加糖調製品)との価格差は効果があるほど縮小しなかったと認識している。依然として競合品の拡大懸念は残ったままになる。

その中で、現在の戦略を継続するのが方針となる。砂糖の減少を織り込みながら、高付加価値品に特化していく。既存製品は安心・安全で差別化を図る。

――ツキオカと日新製糖のシナジーは発揮されているか。

森田 まず食用純金箔事業は好調で中華圏でも需要が伸びているし、日新製糖の総合甘味サプライヤー政策に乗ってくる部分も多い。菓子、和菓子関係などお客さまが共通しているし、フィルム事業も同じ。例えば大手即席麺メーカーのノベルティとして採用されたフィルム製品もあるが、当社がバックにいることで信用力が増して引き合いも増えている。さらにシナジー効果が出てくるものと期待している。