「お~いお茶 緑茶」最注力 無糖の味づくりに自負 本庄社長

伊藤園は今期(4月期)、2月1日に発売30周年を迎えた「お~いお茶」に最注力していく。「お~いお茶」の前期販売実績は、前年比2.1%増の9千18万ケースを記録。これにより緑茶飲料市場は4千450億円へと拡大し、この中で「お~いお茶」のシェアは1ポイントアップの34%となった。

今期は「お~いお茶」で2.8%増の販売数量を計画し、緑茶飲料市場は今年(1-12月)、過去最高の4千470億円を見込む。シェアは過去最高だった05年と比べ6ポイントアップの35%と予想する。

都内で発表した本庄大介社長は「今年は発売30周年ということで、もう一度原点に返る。30年前には『お~いお茶 緑茶』しかなかったため、これをもう一度圧倒的ナンバー1にすべく拡販に努めていく」と語る。

「お~いお茶 緑茶」は中味と容器を刷新して5月27日から発売している。中味は、茶産地育成事業で開発された旨み茶葉を使用して旨み成分を約20%アップ。容器は、再生PET樹脂を使用した100%リサイクルペットボトルを6月下旬より一部エリアから採用していく。

ペットボトル容器については「30年までに『お~いお茶』はすべてBtoB再生容器にしていくことを検討している。海洋プラスチック問題は、当社だけの問題ではなく業界全体の問題として同業企業と協力して取り組んでいきたい」との考えを明らかにした。

「お~いお茶 緑茶」の350㎖サイズは“小竹ボトル”と称する新小型容器へと刷新して軽量化とPET樹脂使用量削減を図った。従来比でペットボトルは約14%軽量化、ラベルは約43%薄膜化、キャップは約7%軽量化を実現した。

「お~いお茶 濃い茶」は、カテキンの含有量が多く40代以上の男性に支持されていることを受け、機能性表示食品として刷新し今秋に発売する。

健康意識の高まりによって市場全体で無糖飲料の構成比が高まっていることに対しては「無糖で本当においしいものをつくるのにはかなり努力を必要とし、これはどこの企業にも負けないと自負している。青汁も無糖にシフトしていて無糖の350㎖PETは非常に回転がいい。コーヒーもブラックに加えて無糖ラテを積極的に展開している。海外でも20億人に向けて無糖飲料とリーフで商品価値を提案していきたい」と意欲をのぞかせる。

収益改善は前上期(18年5月1日~10月31日)以降の取り組みを継続していく。

前上期は西日本豪雨などの自然災害で物流が寸断したことが痛手となり伊藤園単体では増収2ケタ減益となったものの「これを元に戻そうと全社一丸になって収益性の改善をテーマに掲げ、営業もスタッフも努力してくれた結果、年間では増収増益で終わることができた」。

具体的には下期に営業員の評価制度を利益中心に変更して会社の方向性を明示したことが奏功した。平田篤専務執行役員管理本部長は「特に主力商品の売り方にある仕組みを導入し全営業員に徹底したことによって半年間で5億円以上の粗利益の改善がみられた。基本的には意識改革のところが大きい」と説明する。

近年取り組んでいる物流改革でも成果がみられた。配送の一部を外部委託することで各支店の配送量を削減。その削減分を店頭での営業活動に充てることで商談力を高めていったという。

「ここ2年間くらいで、店舗営業への職種の変更は70人くらいで行っている。1支店15~20人規模のため、3~4支店がまるまる地場に根付いて直接提案した結果が出始めたのが、この1年間だったのだと思う」(平田専務)と振り返る。

製造面では農業生産法人との連携や茶産地育成事業を推進して市況に左右されにくい茶葉の安定調達や茶葉の品質向上に取り組み、機械化・IT化で生産コストを低減していく。

物流面では合弁会社のトーウンロジテムで今期中に19か所のセンターを順次稼働させて物流コストを削減していく。

営業面では、全国196か所の営業拠点で地域密着型営業を展開し利益改善が図れる売り方に取り組んでいく。

なお伊藤園の今期連結業績は売上高1.9%増の5千41億円、営業利益3.5%増の228億円、経常利益8.3%増の232億円となった。