茶系飲料 紅茶カテゴリーが活性化 女性・若年層にはスッキリ緑茶

茶系飲料の販売量が近年拡大している。健康志向の高まりを背景に無糖茶を中心に支持を集めているのが要因。緑茶と茶色系(麦茶・ブレンド茶・紅茶)といったサブカテゴリー間での食い合いを起こしながらも、無糖茶全体としては中長期的に成長していくものとして各社とも注力している。

今年、無糖茶注力の方針を鮮明にしたのはキリンビバレッジ。1月に事業方針発表した堀口英樹社長は「キリングループのCSVの領域を大別すると健康・地域社会・環境があり、当社が担う部分としては健康が大きい。健康については無糖に注目し、21年には18年比で無糖領域の商品を15%ほど増やしていきたい」と語った。

この方針により目下絶好調なのが主力ブランドの「午後の紅茶」で1―4月の販売実績は9%増となった。中でも「午後の紅茶 おいしい無糖」は同期間に17%増を記録。5月取材に応じた堀口社長は「紅茶カテゴリーは他社の参入もあり全体が活性化している」との見方を示した。

同じく無糖紅茶ではサントリー食品インターナショナルの「クラフトボスTEAノンシュガー」が市場を賑わし、大塚食品の「シンビーノ ジャワティストレート レッド」も6月以降、発売30周年記念パッケージを発売するなど提案強化の構えだ。

茶系飲料の中で最大規模の緑茶飲料は、女性・若年層に向けたスッキリした味覚の提案が強まっている。

発売30周年を記念して「お~いお茶」を手渡す伊藤園社員
発売30周年を記念して「お~いお茶」を手渡す伊藤園社員

伊藤園が昨年発売した「お~いお茶 新緑」は澄んだ甘みなどが受け入れられ緑茶になじみのない女性層を獲得。同社はこれをさらに強化すべく、原料茶葉を見直し、お茶本来の甘みと爽やかな香りをさらに向上させ5月にリニューアル発売した。

志田光正マーケティング本部本部長は「女性層は苦みを嫌うが、粉っぽいのも清涼感に少し欠けるため控えたいという不満点に対応した。女性がオフィスで働くのが当たり前になった時代に、もう一度身近に置いてもらえる存在になりたい」と意欲をのぞかせる。

スッキリ緑茶に対してサントリーは「サントリー天然水GREEN TEA」を新発売。「緑茶味は好きだけど苦味・渋味の刺激が少ししんどい時があり、飲み物くらいストレスなく楽に飲みたい」(柳井慎一郎常務執行役員ジャパン事業本部ブランド開発事業部長)というインサイトから開発され、急須でお茶を入れる原体験のない20、30代に向けて訴求している。

緑茶を焙煎したほうじ茶で、スッキリニーズを汲み取って好調なのがポッカサッポロフード&ビバレッジの「加賀棒ほうじ茶」。肥後亮事業統括本部飲料事業部課長代理は「スッキリしていて、かつ香り立ちもよく、水や緑茶飲料の代わりに止渇として飲まれる方が多い」と説明する。

4種類のパッケージの「爽健美茶25YEAR HIT SONGボトル」(日本コカ・コーラ)
4種類のパッケージの「爽健美茶25YEAR HIT SONGボトル」(日本コカ・コーラ)

この流れに対し「綾鷹」は「茶葉のあまみ」で対応しているが、「綾鷹」を担当する日本コカ・コーラの助川公太マーケティング本部ティーカテゴリー緑茶グループグループマネージャーは「すっきりゴクゴク飲める止渇系が伸びているが、個人的には高齢化が進み60歳以上の構成比が数年後に50%近くになることを考えると、しっかりした味わいに戻っていく可能性があると思う」と指摘する。

ブレンド茶で、昨年、ターゲットを30―40代の男女から30―40代の母親・有職女性へと明確にターゲットを絞り込んだことで回復基調にあるのはアサヒ飲料の「十六茶」。

これに対し今年発売25周年の「爽健美茶」は、「25年前の発売当時を知らない世代がお客さまになっている。その世代の方たちにも『爽健美茶』の“爽やかに、健やかに、美しく”のコンセプトを伝えていく」(日本コカ・コーラの小林麻美マーケティング本部ティーカテゴリー爽健美茶TMグループシニアマネジャー)との考えで、現在、平成25年間の名曲が聴ける「爽健美茶25YEAR HIT SONGボトル」キャンペーンを展開している。