遠藤食品「さくら大根」の製造開始 人気ブランドを継承

業務用ガリ大手の遠藤食品(本社・栃木県佐野市)はこのほど、みやま食品工業(本社・千葉県我孫子市)の人気商品「さくら大根」ブランドの製造・販売に関する事業を継承した。4月末に営業権が譲渡され、GW明けから遠藤食品で製造販売を開始している。ブランド存続の一つの形として注目される。

みやま食品工業の「さくら大根」は1957年に誕生した。当時、同社は地場の大根を沢庵漬にして販売していたが、沢庵の切れ端がスモモの調味樽に偶然落ち、それを従業員が食べてみたところ、味が良かったため新商品としてスモモのルートで販売開始した。

その後、「さくら大根」は駄菓子の定番品となり、最近のある調査でも好きな駄菓子ランキングの3位に入るなど、いまだに人気が高い。

今回のブランド承継にあたって、みやま食品工業は遠藤食品に製造機械を譲渡し、商品レシピや作業工程も提示した。製造に関する技術指導も行われ、味やパッケージデザインなど従来品と変わらぬ内容で製造される。また、営業面では菓子問屋など得意先の引き継ぎも行われた。

「さくら大根」㊧と「ぱりぱり さくら大根」(遠藤食品)
「さくら大根」㊧と「ぱりぱり さくら大根」(遠藤食品)

遠藤食品では「さくら大根」(45g袋)、「ぱりぱり さくら大根」(180gカップ)を製造販売するほか、大手駄菓子メーカーのOEMも引き継ぎ、既に製造を開始している。

遠藤食品は栃木県佐野市に本拠を置く業務用ガリの有力メーカーで、主力「新がり完成品」など生姜製品が売上げの8割を占める。生姜以外にもらっきょう、山ごぼう、わかめ、梅製品を製造販売している。

17年には、みやま食品工業の「スモモちゃん」ブランドを継承し、近年は駄菓子製品にも力が入る。今回の「さくら大根」継承により、菓子メーカー・菓子問屋との取引はさらに広がることになる。

一方、「さくら大根」ブランドを譲渡したみやま食品工業は廃業となるが、既存品の製造責任の関係もあり、10月中頃まで会社は存続する。漬物業界は事業者間の横のつながりが強く、今回のケースのように長年愛されてきたブランド・商品を事業者間の協議で次代へ残すこともできる。

5月24日に開いた記者会見で、遠藤食品の遠藤栄一社長は「長年愛されてきた商品の半世紀以上のノウハウをいただき、それを短期間で継承できるのは本当にありがたい」と感謝した。また、みやま食品工業の深山喜一社長は「遠藤社長には快く、デザインも変えないで行きましょうと言っていただいた。令和からは遠藤食品で製造していただく」と述べた。