回収箱に異物はNO! 飲料業界の切実な願い

飲み終わったペットボトル(PET)は、正しい方法で分別回収されれば再びPETあるいは他のプラスチック素材に生まれ変わる――。

この啓発活動に、飲料業界をとりまとめる全国清涼飲料連合会(全清飲)が本腰を入れる。海洋プラスチック問題が背景。全清飲は昨年11月、100%の回収を目指し次に回収したものを100%有効利用することを目標に掲げた「清涼飲料業界のプラスチック資源循環宣言」を発表。今回、同宣言に基づき活動を本格化させる。

市場に出回る約60万tのPETは現在、ともに高い回収率(約90%)と再資源化率(約85%)で循環しているが、その規模の大きさから、空になったPET(空容器)の散乱が目に留まりやすいのも事実。全清飲はまずこの事実を受け止め「業界全体でクリーンアクションを行い、しっかり啓発していくことが重要」と中田雅史専務理事は語る。

この考えの下、6月1日にNPO法人海さくら・日本財団主催の「海岸美化活動(ビーチクリーン)」に飲料各社と全清飲の役員、職員の総勢100人規模で参加する。

飲料各社でも美化活動を強化し、5~6月の「海ごみゼロウィーク」には自社工場や事業所などの清掃活動やNPOなどが企画する清掃活動に約400か所、7千500人が参加予定となっている。

6月以降も「年間通じてこのような企画を立ち上げ、各社の協力を仰ぎながら清涼飲料業界として取り組んでいく。単年では終わらせず来年以降も継続していく」(石黒隆企画部長)。

正しい分別回収も啓発していく。

①キャップを外しラベルも剥がす
②中をすすぐ
③横の方向につぶす
④PETを集める日に出す

――が正しい分別方法だが「最初の段階としては、自販機のリサイクルボックスに空容器以外の異物を入れないことを伝えていくことがスタートだと思っている」(中田専務理事)。

中田雅史専務理事(全国清涼飲料連合会)
中田雅史専務理事(全国清涼飲料連合会)

“空容器は再生可能な素材でゴミではない”との思いから、全清飲は昨年、回収ボックスを自販機専用空容器リサイクルボックスの新名称に統一するとともに、都内の数台に消費者啓発ステッカーを貼り異物混入実態調査を実施した。

都内数台の一事例だが、この結果、異物が占める割合は31%と判明。異物で最も多いのはタバコ関連で、次いで酒類容器、ビニールなどの生活関連、カフェチェーンのテイクアウト用カップ、弁当容器の順で多いことが分かった。

異物混入は、空容器の品質劣化だけなく、本来入るべき量のPETが入らなくなることで空容器の散乱も招きやすくなる。その結果、自販機オペレーターは空容器回収の訪問要請を受けやすくなり、人手不足でさらなる効率化が求められる中、オペレーションの阻害要因にもなっている。

教育現場に配布する啓発ポスター(「清涼飲料業界のプラスチック資源循環宣言)
教育現場に配布する啓発ポスター(「清涼飲料業界のプラスチック資源循環宣言)

この調査結果を踏まえて全清飲は“リサイクルを目的に空容器だけを集めている”ことを訴求したステッカーを50万枚用意し、5月から首都圏・京阪神にある飲料各社の自販機などに貼付していく。「最も多い異物はタバコ。“タバコはダメ”といったような具体的なメッセージを第二弾としては考えている」。

弁当容器も入れられていたことから、今後はリサイクルボックスのフタを開けにくくする構造や形状についても検討していく。「実証実験を繰り返すことでさまざまな気づきが得られると考えている」。

全国の教育現場にも啓発。PETが資源循環していることを啓発するポスターを作り、全国の小・中・高校、教育委員会、消費者センターなどに約4万枚を配布していく。