長野に「カゴメ野菜生活ファーム」 体験型の野菜テーマパーク 農業、工業、観光を“コト体験”

カゴメは、野菜のテーマパーク「カゴメ野菜生活ファーム富士見」(長野県諏訪郡富士見町)を4月26日から開園し、大型連休と重なり初日からたくさんの来客者で賑わった。施設では、八ヶ岳の雄大な自然の中で野菜の収穫や調理を体験でき、レストランで旬の食材を使った料理が楽しめ、隣接する富士見工場では野菜ジュースの製造工程が見学できる。今年は3万人の来場を目指している。

園内で「農業・調理体験」を

「カゴメ野菜生活ファーム」(河津佳子社長)は、「カゴメ富士見工場」と露地栽培やトマトの施設栽培を行う「八ヶ岳みらい菜園」の3社連携で構成。営業期間は4~11月、営業時間は午前10時~午後6時、入場料は無料で、駐車場には普通車85台、大型バス4台の収容が可能。敷地面積は約7千㎡。農業や工業、観光が一体化して“コト体験”できる施設を特徴としており、さまざまなコンテンツを用意している。

「農業・調理体験」(予約制)として、トマトなど野菜の苗植えや収穫が体験でき(500~1千円)、収穫した野菜を使ってピッツアやジャムづくりなどが楽しめる。学校や地域との連携も計画している。

「カゴメ野菜生活ファーム」
「カゴメ野菜生活ファーム」

自由に入室ができる「観光温室」は7千500種以上のトマトの種を保有するカゴメが、トマトの原種やかぼちゃ型のトマトなど9種類を厳選して展示。温室中央にはトマトの生命力を感じてもらうとともにインスタ映えを狙って、1株から数えきれないほどのトマトがなった大樹が植えられている。温室横にはビオラやアリッサムなどが植えられた畑があり、収穫も可能。カゴメが販売しているトマトの苗と土を使って、トマトの育て方講座も予定している。

イタリアンレストラン「イル・ファッジョ」(IL FAGGIO、ブナの木の意味)は、旬の高原野菜を使った本格南イタリア料理が楽しめるレストラン。82席。看板メニューはイタリア製の薪窯で焼いた本格ナポリピッツアで、イタリアで修行を重ねたカゴメの藤原和弘コーポレートシェフのこだわりの逸品。そのほかのメニューも藤原シェフ監修のもとで提供。前菜やパスタはトマトや地元野菜をふんだんに使用し、ミネストローネやパスタソース、ドレッシングにも野菜だしを使い、カゴメのトマトピューレを使ったソフトクリームは人気商品。ゴールデンウイーク中は1千500円と2千500円のコース料理を用意。長野県産のワインも楽しめる。

コース料理の一部(イタリアンレストラン「イル・ファッジョ」)
コース料理の一部(イタリアンレストラン「イル・ファッジョ」)

施設中央には野菜飲料やジャム、調味料、レトルトカレー、焼き菓子、高原野菜など野菜生活ファームのオリジナル商品、地域の特産品、地元パティシエとのコラボ商品を販売する「ショップ」を開設。河津社長自らがプロデュースしたバラエティーな商品が並ぶ。ショップのコンセプトは「野菜生活ファームの思い出の持ち帰り」。野菜飲料の「野菜生活100オリジナル 野菜生活ファーム」限定パッケージは、限定シールを貼れば自分だけのパッケージが完成し、お土産に最適。また通販限定商品のばら売りや、缶バッチ、マスキングテープ、トートパック、エプロン、マグカップなど雑貨も販売している。

カゴメのものづくりへのこだわりを理解してもらうため、畑から野菜飲料ができるまでのプロジェクションマッピングやジオラマ、野菜飲料工場が楽しめる見学コースを用意。小型バスで移動し、所要時間は約80分。無料だがHPなどで予約が必要。

ガラス越しに飲料工場を見学(カゴメ富士見工場)
ガラス越しに飲料工場を見学(カゴメ富士見工場)

ストロー付き紙容器をかたどったコース最初の「マルシェ」は、「野菜生活100」に使われている野菜の栄養成分や世界の産地を紹介。「野菜ジュース工場見学」では、世界トップレベル(全国6工場中トップ、200㎖換算で年間約5 .4億本分)の生産量を誇る工場に入り、商品パッケージの歴史や充填機、包装機を見学。環境に配慮した排水処理や肥料や飼料に再利用される搾りカス、2050年までにグループでCO2排出量を50%削減を目標に取り組んでいるなど環境活動を紹介。工場からミュージアムに向かう「畑道散歩」中には8つの野菜情報や豆知識を看板で紹介。「ミュージアム」は、もともと醸熟液工場を改築したもので、高さ7mの巨大タンクはプロジェクションマッピングとジオラマに生まれ変わり、タンクをのぞくと野菜づくりの様子をジオラマで紹介している。

グランドオープンに先立ち4月25日、行政関連や取引先、カゴメ関係者など約70人が出席しオープニングレセプションを開催。寺田直行社長のあいさつに続いて、来賓を代表して太田寛長野県副知事、名取重治富士見町長が祝辞を述べ、カゴメ野菜生活ファームの河津佳子社長があいさつしたあとテープカットが行われた。

寺田社長 念願の夢がかない感無量で、やっと開園の日がきた。今年は1968年に富士見町の企業誘致第1号として野菜ジュースの富士見工場を創設してから51年目になる。野菜生活ファームは工場に隣接する約10haの有休農地を活用してオープンした。6年前から構想を考え、行政や地域のご協力でオープンできた。最大の魅力は八ヶ岳、南アルプスに囲まれた自然だ。夏以降はトマトやトウモロコシ、季節の野菜の収穫体験、農業体験、調理体験ができ、野菜ジュース工場や観光温室も見学できる。ここでとれた野菜をレストランで食べられ、地元の旬の食材を利用したおいしいイタリア料理も楽しめる。ショップではオリジナル商品や通販商品も購入でき、いわば野菜のテーマパークだ。

カゴメは2025年をターゲットに野菜の会社になる長期ビジョンを目指しており、野菜不足を解消して健康長寿につなげ、農業振興、地方創生に役立ちたい。野菜生活ファームを通してカゴメファンになってもらい、富士見町のファンになってもらうことで地域の活性化を目指す。

太田長野県副知事 長野県は観光に力を入れており、長野県の玄関口富士見町に野菜生活ファームができたことはありがたい。名古屋からも近く、多くの人が訪れてほしい。

名取富士見町長 野菜生活ファームは農業、工場、観光が一体となった新しい体験型のテーマパークで、健康長寿や農業振興、地方創生など社会課題解決に大きく貢献してほしい。

「ファンづくり拠点に」河津社長の話

農業、工業、観光の3つが連携し、一体化した施設をつくることはカゴメにとってチャレンジだ。富士見町にしっかり根を下ろし、お客さまに笑顔の花を咲かせ、カゴメ、富士見、長野県のファンづくりのために魅力的なコンテンツを提供し続けることを約束する。最大の魅力は雄大な自然だ。お客さまが美しい景色を眺めながら野菜のおいしさを実感し、身も心も健康になってもらう野菜のテーマパークとして歩んでいく。

1年ほど前に野菜生活ファームに赴任し、開園に向けて準備してきた。レストランや観光施設など、すべてが新しいことへのチャンレジだったが、来客者の話を聞いて地元の期待の大きさを感じている。野菜生活ファームはカゴメファンをつくることが目的で、カゴメのPR拠点だと理解している。それには、これまでの経験を生かせるはずで、一人でも多くのお客さまに来園していただき、ファンづくりに貢献したい。