“食と医の間”に照準 キリンの乳酸菌ブランド「イミューズ」

キリングループは、乳酸菌の製造を内製化するなどして食と医薬品の中間領域にあたるヘルスサイエンス事業を加速させる。

その中核となるのは17年9月に立ち上げた乳酸菌ブランド「iMUSE(イミューズ)」。プラズマ乳酸菌を配合した「イミューズ」の飲料やヨーグルトなどからなる同事業の売上げは昨年55億円に上り、これを21年に150億円、27年に230億円へと引き上げていく。

独自乳酸菌の自社工場稼働

24日都内で発表したキリンホールディングスの佐野環ヘルスサイエンス事業部長は、27年の青写真について「やはり形のある商品がメーンになる。現在は飲料がわれわれの強みで、飲料の売上比率が高いのだが、今後はお客さまのお買い求めしやすい場所でお届けする義務がある」と述べ、既に展開しているECや調剤薬局へのアプローチも強めていく考えを示した。

キリンHD佐野環ヘルスサイエンス事業部長

今回、商品ラインアップを拡充し、新たに乳酸菌製造工場を稼働させた。商品は、ヤクルトヘルスフーズから譲受したKW乳酸菌配合のサプリメント「Noale(ノアレ)」を4月1日から主にオンラインショップで販売。小売向けには、カンロの「ピュレグミ」とコラボした「ピュレサプリグミiMUSEプラズマ乳酸菌」を2日から発売している。

自社工場は約20億円を投じ「iMUSEヘルスサイエンスファクトリー」の名称で小岩井乳業東京工場内に新設。25日に稼働開始し、ここでプラズマ乳酸菌やKW乳酸菌を製造する。初年度製造能力は約10tを見込み、この量は21年目標の150億円の売上規模を賄える量だという。

同社の乳酸菌は既に自己認証によるGRAS(一般に安全と認められる物質)としてのステータスを確立。素材の外販にあたって「同じ志を持つパートナーであれば自由にブランドを利用していただきたいと思っている」と協業の呼びかけには柔軟に応じる考えだ。

プラズマ乳酸菌は、ウィルス感染防御の司令塔であるpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)に直接働きかけ活性化させられるのが最大の特徴。一方、KW乳酸機はアレルギー炎症の緩和する機能が報告されている。

東南アジア、北米を中心に海外市場も狙う。感染症にかかわる問題が顕在化する東南アジアには6月に研究拠点を開設予定。健康意識の高い消費者が多い北米でも「『イミューズ』に対する需要は少なくないと考える」と意欲をみせる。