高品質クラフト続々投入 インバウンド需要狙いサントリースピリッツ

サントリースピリッツは、好調な「ジャパニーズクラフトジンROKU」に続く第2弾として「ジャパニーズクラフトウオツカHAKU」を4月23日に発売、第3弾「ジャパニーズクラフトリキュール奏Kanade」3品を6月4日に投入する。

海外、国内ともに高価格帯のスピリッツ・リキュールが継続的に伸長している中、同社は“クラフト”にチャンスの芽があるとみて注力。17年に発売した「ROKU」は12か国、2万2千箱だったのに対して18年は32の国や地域で展開した結果、前年比673%となる14万8千箱を達成。バランスのとれた味わいや品質、六角形のボトルデザインが評価されているという。

ウオツカの「HAKU」は原料にこだわり米麹や国産米100%を使用。原料酒はほのかな甘みとやわらかな口当たりのものと、クリーンな味と香りのものを丁寧につくり分けてブレンドすることで米由来の複雑で豊かな味わいとした。

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「ジャパニーズクラフトリキュール奏Kanade」

また白樺炭だけでなく竹炭も使い濾過することで、クリーンでクリアな味わいとスムースでやわらかな味わいを両立。商品開発研究部の鳥井和之シニアスペシャリストは「ミキサビリティを十分に確保した設計」と話す。

一方、「奏」は国産素材を使い、また伝統的な抽出製法(浸漬・蒸溜)で素材の個性を最大限引き立たせたという。

「奏〈柚子〉」は、柚子の果実・果皮をそれぞれつくり分けした3種の原料酒と柚子果汁を用い、柚子ならではの香り、柚子果汁の酸味、果皮の苦みを生かした素材感が特徴となる。「同〈白桃〉」はやわらかで芳醇な香りと自然でみずみずしい果実感が、「同〈抹茶〉」は甘さを抑えたことによる茶葉由来の自然で芳醇な香りと、旨みや苦みを含めた素材感が特徴だ。

「ジャパニーズクラフト」では和素材の繊細な個性を生かした「ジャパニーズクラフトカクテル」を提案していく。

仙波匠社長(サントリースピリッツ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
仙波匠社長(サントリースピリッツ)

展開について仙波匠社長は「新需要の創造を狙っており、中味を推奨してくれるようなバーなどをメーンに想定している」といい丁寧なブランディングを図る。プレミアムな価格帯とすることで、既存品と住み分けしていくという。

「HAKU」は昨年10月から米国で先行発売。初年度は9千箱。「奏」はインバウンド需要も想定し料飲店・空港・免税で販売し、状況次第でその後の展開を検討するとしている。