炭酸水 新規ユーザー獲得し拡大 各社がマーケティング強化

20代を中心とした新たなユーザーを取り込み炭酸水市場が拡大を続けている。近年右肩上がりで、スーパー・コンビニなど手売りの市場規模は約430億円と推定。これに加えてECでの販売がかなりのボリュームで上乗せになっているとみられる。全国清涼飲料連合会の「2018年清涼飲料水生産数量及び生産者販売金額」によると、炭酸水の生産者販売金額は前年比22.7%増の438億7千100万円、果汁.フレーバー入り炭酸水の生産者販売金額は8.1%増の340億6千900万円となっているためだ。

おおよそのシェア構造は「ウィルキンソン」(アサヒ飲料)が5割、「サントリー南アルプススパークリング」(サントリー食品インターナショナル)が2割と推定。以降は「伊賀の天然水強炭酸水」(日本サンガリアベバレッジカンパニー)や「カナダドライ ザ・タンサン」(コカ・コーラシステム)などが鍔迫り合いを演じている構造になっている。

(左から)刷新した「ウィルキンソン タンサン」と「同 レモン」、新発売の「同 ティー」(アサヒ飲料)

「ウィルキンソン」は08年から11年連続で伸長を続け、15年3月から直近の19年3月まででは49か月連続で前年実績を達成した。アサヒ飲料の水上典彦マーケティング本部マーケティング一部炭酸グループグループリーダーは「昨年は競合商品が多く発売され苦戦を予想していたが、われわれも市場も2ケタ増となり“炭酸水戦争”がいい結果となった」と振り返る。

炭酸水のメーンユーザーは40代で、アサヒ飲料は新規ユーザーとして最も高い伸びをみせる20代に着目。20代女性をターゲットに4月16日に新発売した「ウィルキンソン タンサン ティー」は出足好調で、同日には主力の「ウィルキンソン タンサン」と「同レモン」をリニューアル発売した。ともに「オリジナル容器と組み合わせた当社でしかできない炭酸の製造技術で炭酸を最高値に強めていった」という。

「サントリー南アルプススパークリング」シリーズ(サントリー食品インターナショナル)
「サントリー南アルプススパークリング」シリーズ(サントリー食品インターナショナル)

「ウィルキンソン タンサン レモン」は味覚も刷新。「味をゼロベースで見直した。バーテンダーがハイボールをつくるときに、レモンの表皮面のオイル成分を飛ばして香味づけするツイストという技術を参考に、より本格的においしいレモン炭酸水に仕上げた」と説明する。自販機には今回刷新した「レモン」を新たに導入し「タンサン」との2品体制へと拡充。「タンサン」の自販機への導入率も高めている。

サントリー食品インターナショナルの「スパークリング」シリーズは昨年、プレーンタイプとレモンフレーバーの定番2品が拡大したことと商品ラインアップ拡大で2倍強伸長。その好調要因については「オフィスや家庭で息抜きがしづらくなる中、より健康なストレスからの解放手段を求めるシーンを狙い通りにとることができた」(川村崇ジャパン事業本部戦略企画本部ブランド企画部長)と述べる。

「カナダドライ ザ・タンサン レモン」㊧と「ザ・タンサン」250g缶(コカ・コーラシステム)
「カナダドライ ザ・タンサン レモン」㊧と「ザ・タンサン」250g缶(コカ・コーラシステム)

今年はフレーバーとプレーンタイプの両輪で「スパークリング」の勢いを加速させていく。2月には、その第1弾として既存3品を刷新し「サントリー奥大山スパークリング」を新発売した。

コカ・コーラシステムの「ザ・タンサン」は昨年、「ザ・タンサン・レモン」が牽引して「計画を大きく上回った」(日本コカ・コーラの河合和人マーケティング本部炭酸カテゴリーフレーバー炭酸グループシニアマネジャー)。今年は、炭酸の刺激と持続力を強化してリピートにつなげていく考えで中味とパッケージを刷新し3月にリニューアル発売した。

今後は「強炭酸と炭酸が持続するようになったことをCMやSNSなどのデジタル媒体で徹底的に伝えていく。加えて店頭では飲み方提案をすることで飲用機会を増やしていく」方針。店頭ではPOPなどを使ってノンアルコールカクテル「モクテル」の提案を強化。「昨年度も展開していたが、今年はより力を入れて提案している。スーパーでもモクテルを浸透させて飲用シーンをできるだけ広げていく」と意欲をのぞかせる。

「伊賀の天然水強炭酸水」1ℓ(日本サンガリアベバレッジカンパニー)
「伊賀の天然水強炭酸水」1ℓ(日本サンガリアベバレッジカンパニー)

トライアル獲得としては3月から飲み切りサイズの250g缶を一部のスーパー、量販店で発売している

「伊賀の天然水強炭酸水」は500㎖・1ℓともに好調に推移。「消費者の健康志向を背景とした直接飲用の需要をうまく取り込めたことが好調要因で、特にトレンドの強炭酸タイプは強い刺激や爽快感を感じたいお客さまにご支持をいただいていると思われる」(日本サンガリアベバレッジカンパニー)とし、今後は昨年に引き続きTVCMを中心にコミュニケーション活動に注力し「商品ラインナップの強化なども考えている」。