サタケ、ベトナムで共同開発 小・中型穀物乾燥機

精米機大手のサタケとベトナム社会主義共和国の穀物加工機器メーカーのラミコ社は4月22日、ベトナム国内の中・小規模精米所向け穀物乾燥機の共同開発を始動した。

コメなどの穀物は収穫後に乾燥させて長期保存しているが、ベトナムの中・小規模精米所におけるコメの乾燥は貯蔵プールの底から温風を送る静置式が主流。安価で設置できるため広く普及している半面、輸出用の高品質白米など原料を均一に乾燥することが難しく、72時間程度を要する。

一方、同社が現在ベトナムで販売している乾燥機は、籾を効率良く加熱・循環させ20時間程度で均一に乾燥できる循環式。高性能なため多くの大規模精米所で採用されているが、中国などサタケの海外生産工場からの輸入品のため、価格面で中・小規模精米所への普及が遅れている。

同社はベトナムでの大規模精米工場向け精米機器のシェアは高く、中・小規模精米所への販路拡大のため、18年4月1日にサタケ・ベトナム社を発足。循環式乾燥機を従来に比べ低価格で提供するため、現地生産を含めたコストダウンを模索していた。

一方、ラミコ社は乾燥機を含む穀物加工機器や貯蔵タンクなどの付帯機器をベトナム国内で製造販売しており、市場シェアを拡大すべく機械の性能向上に取り組んでいる。同国の精米機器市場において両社は競合メーカー同士だが、両社の思惑が合致し今回の共同開発に至ったもの。

両社は19年2月22日に共同開発契約を締結し、4月22日には仕様など詳細を決める1回目の共同開発会議を開催。今後は乾燥制御など主にソフトウエア部分をサタケが、搬送スクリューなどハードウエアはラミコ社が担当し開発を進める。年内にラミコ社での生産体制を整え、20年初旬に現地生産でコストを下げた循環型乾燥機を双方で販売する。