ウイスキー「碧Ao」 “答がない”ブレンドで豊かな味わい サントリー

サントリースピリッツは「サントリー ワールド ウイスキー『碧Ao』(アオ)」を16日から全国で数量限定発売する。今年は第1期(16日~夏)、第2期(秋~冬)の2期に分けて出荷、計3万箱を予定する。

「碧Ao」は世界の5大ウイスキーの原酒を、5代目チーフブレンダー福與伸二氏がブレンドしてブレンデッドウイスキーを創るという、同社の新しい取り組み。14年の買収でビームサントリー社が設立されたことで世界5大ウイスキー産地のすべてに蒸溜所を持つメーカーとなり、その頃から構想を温めていたという。

今年は核心価値である“世界5大ウイスキーをサントリーのブレンダーが匠の技でブレンドした、様々な個性が愉しめるウイスキー”を新しいカテゴリーとしてしっかりと訴求、説明できる場を戦略アウトレットとし、バーテンダーによるブランド訴求が可能なバーや、酒専門店、百貨店でのギフト、免税、ECでの展開を予定する。

「角瓶」「響」といったこれまでのブレンドは個性が突出しない「調和」を基本としたが、「碧Ao」は「ブレンドし切ることなく、個性を重ねるという新しいチャレンジ」(鳥井憲護ウイスキー事業部長)という。

中身開発では「最終的な香味の仕上がりが想像できなかった」(福與氏)ことから苦労も多かったが、原酒をブレンドしてから数か月寝かせる後熟工程で香味が想像以上の変化が起きることなどの発見もあったという。

スコッチの原酒はアードモア蒸溜所、グレンギリー蒸溜所、アイリッシュはクーリー蒸溜所、アメリカンはジムビーム蒸溜所、カナディアンはアルバータ蒸溜所、ジャパニーズは山崎蒸溜所、白州蒸溜所のものを用いた。

各原酒の個性が豊かで複雑な味わいをもたらすといい、ブレンダーたちでも意見が分かれることから「答えがないのが正解」(福與氏)と話している。