加工用米の安定供給を

米菓は名前の通り、コメを原料とする日本を代表するお菓子である。コメと一口に言っても、ご飯として食べるものや、ふるい下など多種多様であり、米菓メーカーは原料を使い分けて独自の製品に仕上げる技術を持つ。

▼最近は、国産のコメより外国産のコメを使用する企業が増えてきた。国産のコメが高騰した折、割安な米国産の比率が一気に高まった感がある。メーカーや製品によって、国産と外国産の比率もまちまちの対応を行う。どれがおいしいか、という正解は基本的にない。

▼外国産と言っても、必ずしも品質が劣っているわけではない。むしろ、米国産は前述のふるい下より、品質が良いと指摘するメーカーもある。国産の方が値段が安くても、外国産を使い続けるところも多い。

▼とはいえ、国内で米菓を製造している企業として、基本は国産に限定してこだわっている中小は多い。政府は国産米の需要拡大に向け、コメの輸出に注力するが、米菓向けに適正価格で販売できれば、国内での需要の広がりも期待できる。加工用米などのグレードの良いコメを安定的に業者が確保できる農業政策が求められる。